サルモネラ(4:i:-)を届出伝染病STに 農林水産省

農林水産省消費・安全局動物衛生課は、3月29日付で、サルモネラ(4:i:-)をサルモネラ・ティフィムリウム(ST)として扱い、4月1日以降は届出伝染病とすると通知した。

家畜伝染病予防法では、家畜の伝染性疾病の発生予防や、まん延防止のため、「法定伝染病」と「届出伝染病」を定め、これらの監視伝染病に感染または感染の疑いがある家畜を発見した獣医師は、遅滞なく、都道府県知事に届け出なければならないと規定している。

人や動物に病原性を示すサルモネラは、いろいろな抗原の組み合わせにより約2500種の血清型に区分されている。この中で、家畜(牛、水牛、シカ、豚、イノシシ、鶏、アヒル、七面鳥、ウズラ)の届出伝染病(監視伝染病)の対象となっていたサルモネラ症は、サルモネラ・ダブリン(SD)、サルモネラ・エンテリティディス(SE)、サルモネラ・ティフィムリウム(ST)、サルモネラ・コレラエスエス(SC)。

サルモネラ(4:i:-)は、STの第2相鞭毛抗原が欠落している変異種で、病原性もSTとほぼ同様と考えられている。2000年初めから、世界で人を含めた多くの動物や環境から分離され、食中毒も発生している。日本でも人や各種動物から分離されているが、これまでは届出の対象外であったため、日本への侵入経路などは不明であったが、届出伝染病の対象になることで、侵入経路や伝播経路が明らかになることが期待されている。

鶏のサルモネラ対策では、採卵鶏には、SE・ST不活化ワクチンがあるが、生ワクチンは日本で許可されていないため、ブロイラーではプロバイオティクスやプレバイオティクスなどに頼らざるを得ない。