オランダ政府のAIフリーコンパートメントステータス ヘンドリックス社が認証取得

ドロシー・デュクロ氏㊧とバート・ストクヴィス獣医師㊨

採卵鶏の育種改良を行なうヘンドリックス・ジェネティックス社(タイス・ヘンドリックス社長―本社・オランダ、ボックスミア)は9月11日、オランダの同社採卵鶏のすべての育種施設、原種鶏農場、育成農場、孵化場が、オランダ食品消費者認証局(NVWA)の鳥インフルエンザ(AI)フリーコンパートメントステータス認証を取得したと公表した。

オランダでは2003年以降、AIが何度も発生し、そのたびに世界中の顧客への供給が途絶していたが、今後、日本などの輸出相手国がヘンドリックス社のコンパートメントステータスを認めれば、オランダでAIが発生した場合も、認証施設の清浄性を確認したうえで、2国間協議で定めた条件の下でヘンドリックス社の生きたひなや種卵の輸出が認められることになる。

AIなどの疾病が発生した地域内でも、高度な衛生管理を行ない、清浄性が確保されていることが認められた施設(コンパートメント)から出荷されるひなの輸入を認める「コンパートメント主義」の考え方は、国際獣疫事務局(OIE)によって策定されたもの。このステータス認証を取得した企業は、国内の他の場所でAIが発生しても、すべての施設が清浄であることを保証できる高いバイオセキュリティ基準で稼働している必要がある。

オランダにはヘンドリックス社最大の採卵鶏の育種センターがあり、同社は2012年以降、1000万ユーロ以上を投資して原種鶏や種鶏の孵化場の能力を増強し、すべての事業を最高のバイオセキュリティーレベルにアップグレードしてきたとのこと。同社では今後数か月の間に、カナダとブラジル、フランスに展開している事業所でもコンパートメントステータスの達成に取り組んでいくとしている。

今回の認証取得について同社のロン・ユーリセン取締役技術部長は「コンパートメントステータスにより、オランダから5大陸の多くの国に製品を輸出し、世界中のヘンドリックス・ジェネティックス採卵鶏の顧客への販売を確保することができる」と歓迎し、グローバル・クオリティ・マネージャーのドロシー・デュクロ女史は「コンパートメント化を実現したことは、ヘンドリックス・ジェネティックスが全力で行なった努力の成果であり、誇りだ。オランダの事業所すべてに、病気が入らないよう標準的な操作手順を定めていることを示している。すべての従業員は、病気の侵入リスクを低減するための対応策を尊重し、分離と監視は非常に高い基準になっている」と述べ、バート・ストクヴィス獣医師も「OIE鳥インフルエンザフリーコンパートメントステータスの達成により、(ヘンドリックス社の)強固なバイオセキュリティーシステムが公式に認められたことになる」と強調している。