「卵で前向きに!」困っている人を支援 沖縄

安室養鶏場

卵の支援を続ける安室朝統代表(左端)と、感謝を伝えた社協の新本博司会長(左から2人目)

様々な企業や地域で、新型コロナウイルスの影響を受けた人を支援する動きが広がっているが、沖縄県那覇市の安室養鶏場(安室朝統代表)は、那覇市内の子どもたちや生活に困っている世帯を支援しようと、4月下旬から那覇市社会福祉協議会への生卵の提供を続けている。

安室養鶏場は、運営する揚げ菓子のサーターアンダギー工場が、コロナ禍の影響で休業を余儀なくされたことから、工場で使う予定だった卵などを4月23日以降、週5日ほどの頻度で無償提供。工場の再開後も、無償提供を継続し、8月末までに合計3万3000個以上の卵を提供している。

卵は、市内の子どもの居場所(ボランティアが運営する「子ども食堂」や「こども広場」など)が提供する食事や、子どもに弁当を無償提供する「サンタプロジェクト」の食材として使われたほか、経済状況が悪化した世帯や、生活が苦しい日本語学校の学生と外国人らに配られ、栄養価の高い食材として非常に喜ばれている。

6月1日に那覇社協を訪れた安室代表は「社協に来ると、コロナの影響の深刻さが分かる。サーターアンダギー工場はすでに再稼働しているが、今後も卵の提供など、できる支援で地域に貢献していきたい」と話している。

琉球飼料も

卵を寄贈した琉球飼料の當山全隆取締役営業本部長(左から2人目)と社協の新本博司会長(同3人目)

配合飼料や鶏卵の販売などを行なう琉球飼料(崎濱秀敏社長―本社・沖縄県浦添市)も8月12日、那覇市社会福祉協議会に生卵5ケース(1000個)を寄贈した。

卵は市内の子どもの居場所を通じて必要な世帯に届けられたほか、15日に開かれた「シングルママを応援する緊急フード支援」でも提供された。

琉球飼料の取締役営業部長の當山全隆氏は「社会貢献の一環で寄贈し、卵をもらって前向きになってもらいたい。継続した支援を考えていきたい」とあいさつ。社協の新本博司会長は「新型コロナの影響で生活に困っている人が増えている。善意の気持ちが伝わると、やる気も出てくる」と謝意を述べた。