JA全農グループ 夏季向け混合飼料『フェスタU』発売 タウリン強化で暑熱ストレスを緩和
JA全農グループは、鶏の暑熱ストレス対策として新たに開発した混合飼料『フェスタU』を5月から順次販売している。従来の抗酸化資材「フェスタ」を全面リニューアルし、新たにタウリンを加えて設計した。「フェスタ」はFeed Supplement of Total Antioxidantsの略であるが、新たに配合するタウリン(Taurine)と合わせ、商品名を『フェスタU』とした。
タウリンは、体内の抗酸化能をサポートする重要な成分で、鶏舎内の高温環境では血中濃度が著しく低下することが確認されている。全農家畜衛生研究所(千葉県佐倉市)の調査によると、34度で2週間飼育した成鶏の血中タウリン量は、常温(24度)での飼育と比べて約40%減少したとのこと。
これに対応する形で、全農家畜衛生研究所と全農飼料畜産中央研究所(茨城県つくば市)の共同研究に基づき開発した『フェスタU』には、タウリン、ビタミンC・E、ブドウポリフェノール、ウコンポリフェノールをバランス良く配合しており、飼料1トン当たり1キロの添加を推奨している。
採卵鶏のジュリアライト(49週齢、各30羽)を用いた試験では、暑熱ストレス条件(最高32度、最低25度)下で日卵量を測定。『フェスタU』給与区は、暑熱ストレス期間中でも日卵量の低下が抑制され、給与前の水準から大きく落ち込むことなく推移した。
血中の抗酸化能(活性酸素への抵抗力)も、対照区と比べて『フェスタU』給与区は有意に高く、暑熱前の水準を維持。給与2週後と暑熱ストレス2週後での差が顕著に現れた。
肉用鶏のチャンキー(0~43日齢、各138羽)を用いた試験では、増体重、飼料摂取量ともにタウリン給与区が上回った。また、生産性指数(PS)も対照区384に対し392と、性能の向上がみられ、夏季の肉用鶏でも生産安定に寄与することが示された。
製造・販売は㈱科学飼料研究所。問い合わせはJA全農くみあい飼料㈱の各事業所・営業担当へ。