2020年は1%増 の11億8770万トン オルテック世界飼料調査

オルテック社(マーク・ライオンズ社長兼CEO)は1月28日、10回目となる「2021オルテック世界飼料調査」の結果を公表した。

2020年の世界の飼料生産量は前年から1%増加し、11億8770万トンと推測される。地域別ではヨーロッパが1%減の2億6190万トン、アフリカが2%減の4399万㌧、中東が2%減の2480万トン、アジア太平洋が2%増の4億3390万トン、オセアニアが2%減の1040万㌧、北米が1%増の2億3720万トン、中南米は4%増の1億7650万㌧。

国別では、中国が5%増加して2億4000万トンに達し、世界最大の飼料生産国の座を取り戻した。このほか生産量の上位10か国は、アメリカ(2億1590万トン、1%増)、ブラジル(7760万トン、10%増)、インド(3930万トン、5%減)、メキシコ(3790万トン、4%増)、スペイン(3480万トン、前年並み)、ロシア(3130万トン、3%増)、日本(2520万トン、前年並み)、ドイツ(2490万トン、前年並み)、アルゼンチン(2250万㌧、7%増)の順で、これら10か国で世界全体の63%のシェアを占めている。上位10か国の平均成長率は2%で、飼料コストは世界平均より約9%少ない。

世界140か国以上、2万8000軒以上の飼料生産拠点を網羅する同調査によると、畜種別の飼料生産量の内訳は、ブロイラー28%、豚24%、採卵鶏14%、乳牛11%、肉牛10%、その他畜種7%、水産養殖4%、ペット2%。ブロイラーと豚、水産養殖、ペットのセクターが飼料生産量の増加に貢献した。

採卵鶏用飼料の生産量は前年並みの1億6048万トン。地域別ではヨーロッパが4%減の3112万トン、アフリカが2%減の785万トン、中東が3%減の442万トン、アジア太平洋が4%増の7792万トン、オセアニアが2%増の95万トン、北米が3%減の1512万トン、中南米が5%減の2310万トン。

ブロイラー用飼料の生産量は1%増の3億3457万トン。地域別ではヨーロッパが前年並みの5487万トン、アフリカが3%減の1117万トン、中東が1%減の811万トン、アジア太平洋が2%増の1億4360万トン、オセアニアが3%増の389万トン、北米が2%減の5090万トン、中南米が2%増の6204万トン。

新型コロナウイルス感染症の拡大や、鳥インフルエンザの発生が飼料生産量に影響を及ぼした。また、抗生物質フリー飼料の生産への動きがヨーロッパや中南米の一部の国で大きくなっている。