支援が受けられる養鶏関係事業(予算)(上)

農林水産省生産局畜産部は、平成28年度予算などを中心に、支援を受けたい事項を中心にした養鶏関係事業などの一覧をホームページに公表している。この中から、具体的にどのような事業が支援を受ける対象になっているかを紹介する。

養鶏経営の安定を図りたい

「鶏卵生産者経営安定対策事業」(事業実施主体は民間団体)は、鶏卵の取引価格が補てん基準価格を下回った場合に、差額の9割以内を補てんするとともに、取引価格が通常の季節変動を超えて大幅に低下した場合には、成鶏の更新に当たって長期の空舎期間を設ける取り組みに対し奨励金を交付する。

規模拡大を図りたい

「畜産クラスター事業」(事業主体は民間団体)では、畜産クラスター計画で位置付けられた中心的な経営体に対し、施設整備を支援する。
また、農協や公社などが買い入れまたは借り入れした離農跡地などにおいて、鶏舎などの補改修を実施し、規模拡大者に貸し付ける。
「強い農業づくり交付金」(事業主体は公社、農協、都道府県等)では、協業法人経営の開始に伴う共同利用畜舎の施設整備を支援する。
施設整備に必要な資金を融資する融資制度としては「農業近代化資金」や「日本政策金融公庫資金」がある。

採卵鶏や食鳥の経営を新たに始めたい

「畜産クラスター事業」では、新規参入者などに対する施設整備、機械のリース整備や、農協や公社などが買い入れまたは借り入れした離農跡地などで畜舎などの補改修を実施し、新規就農者になどへの貸し付ける取り組みを支援する。
融資制度の利用では、「日本政策金融公庫資金」による農業経営を開始する際の施設の設置、機械の購入などに必要な資金融資がある。

地域全体で収益力を向上させたい

「畜産クラスター事業」では、収益力向上の取り組み実証調査・分析、地域の連携をコーディネートする人材育成の支援や、施設整備、機械のリース導入の支援がある。
「強い農業づくり交付金」では、地鶏の振興を図るため、簡易な使用施設、処理加工施設などへの整備支援がある。

鶏の改良施設を整備したい

「畜産クラスター事業」や「強い農業づくり交付金」では、鶏改良施設の整備などの支援がある。

生産性向上を図るための機械等の導入

「畜産クラスター事業」では、生産性向上のために必要な機械のリース導入を支援する。

飼料用米を生産・使用してみたい

「水田活用の直接支払い交付金」(事業実施主体は販売農家、集落営農)では、新規需要米取り組み計画の認定を受け、水田において飼料用米を生産・販売する場合、飼料用米の収量に応じて交付金を交付する。
「畜産クラスター事業」では、畜産クラスター計画に位置付けられた地域の中心的な経営体が行なう飼料用米の保管・加工・給餌に必要な施設整備、機械のリース導入を支援する。
「強い農業づくり交付金」では、飼料用米の乾燥調製や保管・加工などに必要な共同利用施設の整備に助成する。
「米活用畜産物等ブランド化推進事業』(事業実施主体は民間団体、協議会)では、飼料用米を活用した畜産物のブランド化に必要な検討会の開催、生産流通の実態調査、販売開拓・販売促進、PRロゴマークの推進などを支援する。

食品残さなどを飼料として活用したい

「飼料増産総合対策事業」のうち「エコフィード増産対策」(事業実施主体は農協、農事組合法人、飼料製造施設と3戸以上の農業者が連携して組織する団体)では、エコフィードの生産拡大や、エコフィード利用畜産物の差別化のための生産技術、流通・販売にかかわる実証調査・普及を支援する。
「畜産クラスター事業」では、クラスター計画に位置付けられた経営体が行なうエコフィードの保管・加工・給餌に必要な施設整備、機械のリース整備を支援する。
「強い農業づくり交付金」では、未利用資源の飼料化に必要な共同利用施設の整備を支援する。
「農業近代化資金」や「日本政策金融公庫資金」では、食品残さを飼料化するための施設整備などに必要な資金を融資する。

食鳥処理場を整備したい

「強い農業づくり交付金」では、食鳥処理の効率化や品質の工場、機能向上・改善に必要な施設に関する整備を支援する。
「農畜産物輸出拡大施設整備事業」(事業実施主体は都道府県、市町村、農業者の組織する団体など)では、食鳥処理施設の再編合理化に向けた整備を支援するとともに、輸出の拡大に資する生産から流通までの共同利用施設名dの整備を支援する。
(独)農畜産業振興機構(ALIC)事業の「食肉流通改善合理化支援事業のうち〝食肉流通施設等整備改善支援事業〟」では、食鳥処理の効率化や衛生管理の高度化などに必要な施設の改善を行なう場合に、その一部に対して支援する。
「農業近代化資金」や「日本政策金融公庫資金」では、農協などが粉牛説整備に必要な資金を融資する。

畜産物加工販売施設を整備したい

「強い農業づくり交付金」(事業実施主体は公社、農協、都道府県など)では、生産者が自ら加工販売を行なうための共同の畜産物加工販売施設の整備を支援する。
財投資金の「農林漁業成長産業化ファンド」(事業実施主体は㈱農林漁業成長産業化支援機構)では、同機構を通じて生産・流通・加工などの産業間が連携した取り組みについて、資本の提供と経営支援を一体的に実施する。
「6次産業化ネットワーク活動交付金」(事業実施主体は都道府県、市町村、民間団体など)では、農林漁業者が多様な事業者と連携して行なう新商品開発・販路開拓や施設整備、プランナーによる事業者などに対するサポート体制の整備などを支援する。
融資制度の「農業近代化資金」や「日本政策金融公庫資金」では、農畜産物の需要を開拓するため、新たな農畜産物の加工品などの調査や開発などに必要な資金を融資する。
また「日本政策金融公庫資金」のうち、スーパーW資金について、1名以上の効用効果が認められる事業などでは、貸付限度額を拡充(有志率80%を90%に)する。

卵選別包装施設を整備したい

「強い農業づくり交付金」では、卵選別包装施設における処理の効率化、、衛生管理の向上などを図るための施設整備や、鶏卵処理施設の再編合理化に向けた整備を支援する。

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