佐賀の百姓屋(肉用鶏、花苗経営)が受賞 農林水産祭の内閣総理大臣賞
農林水産祭中央審査委員会(鈴木和夫会長)は10月21日、平成27年度(第54回)農林水産祭の天皇杯、内閣総理大臣賞、日本農林漁業振興会会長賞の受賞者を発表したが、養鶏関係では、「女性の活躍」の部で肉用鶏などを経営する佐賀県伊万里市の㈱百姓屋(市丸道雄代表)が内閣総理大臣賞を受賞した。表彰は11月23日(勤労感謝の日)に明治神宮会館で。
道雄氏は「子供たちに働く父親の姿を見て大きく育ってほしい。そのために農業を継いで妻とともに働く」決心をし、平成6年(35歳)で会社を退職し、妻の初美氏とともに就農。半年後には道雄氏がブロイラー部門、初美氏が花木部門と経営部門の役割分担を明確化した。12年に収益が低下した花木部門を花苗生産に転換して経営の健全化を図った。17年には県内系統ブロイラー農家の中でいち早くセミウインドレス鶏舎を整備して生産効率を高めるとともに、地域ブランド産品として市場評価の高い「骨太有明鶏」や、それを原料としたオリジナル加工品「山ん鶏」の生産により高付加価値・有利販売を実現。
花苗生産では、ブロイラーの鶏ふんを積極的に活用して化学肥料の低減化を図っているほか、女性の細やかな観察力を生かした早期病害駆除の徹底により薬剤使用の低減化を図り、経営全体で環境負荷低減を目指している。平成20年に直売所「百姓屋」を開設、両親の働く姿を追って就農した子供達とともに、24年に農業生産法人「㈱百姓屋」を設立した。
女性の登用と労働環境面では、役員3名中1名、社員5名と臨時雇用職員全員が女性で、産前・産後休暇や育児休業制度の創設・活用を図っている。