ハイテムが本格取り組み プレートドライヤー+ペレットプラント 岐阜大との産学共同研究で好結果
㈱ハイテム(安田勝彦社長―本社・岐阜県各務原市テクノプラザ2-10)は、2002年から鶏舎排気を活用して鶏糞の水分を2日間で15%にする「ハイテムセコノブ」を販売しているが、2014年からは乾燥部を多段式(標準は4段)にして所要スペースが3分の1になり、構造もシンプルな「ハイテムプレートドライヤー」を次世代機種として販売。現在3台が関東の農場で順調に稼働している。
一方、ハイテムと岐阜大学・大場教授との産学共同研究では、プレートドライヤーで乾燥された乾糞をペレット化した乾糞ペレット、発酵鶏糞、化学肥料で、肥料としての比較試験を2年間にわたって行なった結果、乾糞ペレットには化学肥料に優る性能があり、普通肥料として登録できる可能性があることが分かった。
発酵しない鶏糞は、根焼けなどの作物障害を起こすといわれてきたが、ペレット化することにより、大きな鶏糞の塊が根に接触しなくなる。さらに均等に散布することにより、播種直前に施肥を行なっても支障がないことが同研究で報告されている。
乾糞ペレットは散布後、土壌中で発酵を始めるが、発生するアンモニアは土壌中の水分にすぐに溶けてアンモニュウムイオンとなり、悪臭公害になることはない。さらにアンモニュウムイオンは土壌中のバクテリアによって硝酸イオンとなり、両イオンとも植物の根に吸収されていく。アンモニアとして空中に放散されないため、鶏糞中の窒素がフルに植物の栄養素となる【図参照】。
乾糞ペレットが普通肥料として登録されると、「ハイテムプレートドライヤー」にはペレタイザーをシステム化していくニーズが今後増えていくと予想され、ハイテムでは、プレートドライヤー乾糞ペレット化で実績のある円錐ローラーフラットダイス縦型ペレタイザー(㈱チヨダマシナリー製=乾糞が均等圧でフラットダイスに押し込まれ、ペレットの固さも均一で、高品質なペレットがスムースに生産される点が特長)を使用するペレットプラントに本格的に取り組んでいくとしている。
ハイテムでは、プレートドライヤー、ペレタイザーの周辺機器(コンベア、貯留ホッパー、制御盤など)のいずれも日本本社で設計し、天津工場で製造する。
【関東の農場で順調に稼働中のプレートドライヤー㊤、ハイテムがペレットプラントに採用する円錐ローラーフラットダイス縦型ペレタイザー㊥、乾糞ペレットの窒素が植物に吸収されていく過程㊦】