米国の高卵価続く カリフォルニア(今年1月から従来型ケージ禁止)は高騰
米国カリフォルニア州で今年1月1日、従来型のバタリーケージでの採卵鶏の飼養を禁止する州法(Prop2)が施行され、同州内では従来型ケージで生産した殻付卵の流通ができなくなった。この影響から、全米の鶏卵相場の指標とされるニューヨーク市場の鶏卵卸価格(グレードA・ラージサイズ)が乱高下したほか、カリフォルニア州内では年明け後も歴史的な高卵価が続いている。
米農務省経済調査局は1月16日公表の畜産物需給見通しで「2014年11月のテーブルエッグ生産量は前年比2.7%増の6億500万ダースに伸びたが、取引価格も急上昇した。ニューヨーク市場の卵価は10月最終週の1.28ドルから急伸して、11月末から12月初旬には2.19ドルをつけた後、年明け1月の第1週には1.16ドルに急落した(10~12月平均は前年同期より20セント高い1.63ドルとなった)。この時期の卵価は例年、高水準で推移するが、昨年は生産量が2.7%も増えたことを考慮すると、例外的な推移である」とし、歴史的な高卵価の要因を「11月のメキシコ向け輸出の好調と、カリフォルニアのケージ規制の影響の不透明さが重なったため」としている。
14年11月単月の鶏卵輸出量(殻付換算)は、日本向けの鶏卵加工品輸出量が前年同月の900万ダース超から220万ダースへと大幅に減ったが、カナダとメキシコを中心に殻付卵の輸出量が前年比29%増の550万ダースに増えたため、全体では9%減の3550万ダースとなり、10~12月の推定総輸出量は前年比1000万ダース増、年間では2.6%増の3億8200万ダースとなった。
生産増の要因については「増羽(1.4%増)と産卵率向上(1.3%増、1羽1か月当たり23.9個)の相乗効果」と分析し、15年のテーブルエッグ生産量は「今後も高卵価に牽引されて増産が続くと見込まれるため、前年比2.2%増の73億ダースになる」と予想している。
カリフォルニア州法の影響については「州内の生産者だけでなく、同州に鶏卵を供給するテーブルエッグの生産者にも影響が及び、短期的にはカリフォルニアと他州の鶏卵相場に歴史的な価格差を生じさせている。
10月末には12セント前後であったカリフォルニア市場とニューヨーク市場の価格差は、12月中旬に南カリフォルニアの卵価が2.68ドルに達し、15年に入っても2.28ドルを維持したため、1ドル以上に開いた」と説明。
米国の各メディアも、カリフォルニア州の卵価上昇を報道しており、1月16日付の農業関連誌の電子版では「サンフランシスコの大手量販店で1ダース入りパック卵に4.99~5.99ドル(同日のコロラド州デンバーの店頭価格は1.84~3.88ドル)の値札が付いている」ことや、「新基準に対応した生産者が足りないため、供給が間に合っていない」とのアイオワ州立大学エッグインダストリーセンターの見方などを伝えている。