オムレツで卵の消費促進を! オムレツの会が記念イベント
6月2日の「オムレツの日」は、栄養バランスに優れた卵で愛情を包み込んだオムレツを食べて、家族愛と健康を育んでほしい――。『オムレツの会』運営委員会(島田博会長―事務局・丸紅エッグ(株)内)は5月31日、東京都中央区の東京ガス・スタジオプラスG銀座でフレンチの小早川陽青シェフを招き、第2回の記念イベント「炎でワッと!オムレツの日」を行なった。
オムレツに必要な鶏卵をはじめ、関連食材の需要拡大を目指す『オムレツの会』は、鶏卵業界の有志の33社・団体で構成する団体。0602をオムレツと読む語呂合わせから、6月2日を“オムレツの日”に制定、日本記念日協会から認定を受けるとともに、6月をオムレツ月間にしようと運動しているもの。
6月のオムレツの日とオムレツ月間の幕開けに当たり、関係者や報道陣を招いた記念イベントであいさつした島田会長は、4月に開かれた食品展「ファベックス2013」で実施した好きな“オム料理”のアンケート結果を発表。1位がオムライス、2位がオムレツ、3位が卵焼き、4位が天津飯と続いたことを報告し、「天津飯はチャイニーズオムライスとも呼べるメニュー。先日放送されたバラエティ番組『秘密のケンミンSHOW』では、鹿児島県の奄美地方に伝わる郷土料理『たまごおむすび』が特集されていたが、これは塩むすびに薄焼き卵を巻いたもので、いわゆるオム料理の一つではないか。本会ではオムレツに限らず、これらのオム料理をどんどん広めようと考えている。今日は『レッツ!オムレツ!』の合言葉のもと、皆様と楽しみながらオムレツを作りたい」と宣言してスタート。
昨年の記念イベントでも腕を振るった小早川シェフは「今ではオムレツ親善大使を名乗っている」と笑顔であいさつ。フレンチのフルコースでは、オムレツは魚料理(ポワソン)に属するが、フランスの家庭では夕飯にオムレツ、タマゴサンドなどの卵料理が頻繁に食べられることを紹介した。
フリーアナウンサーの仲谷亜希子さんが進行役を務め、参加者全員がオムレツの魅力などをまとめた「オムレツの会憲章」を元気良く読み上げた。
小早川シェフは調理実演しながら、おいしいプレーンオムレツの作り方を伝授。1人前に卵3個の使用を勧め、基本的な卵の割り方についても「卵を片手で掴み、キッチンや容器の角に打ち付けて割るのがカッコいいと思われがちだが、これでは小さな殻が黄身や白身に混ざってしまう。私としては、平らな所に打ち付けて割るのがベターだと思う」と指導。オムレツ作りに限らず、卵を割った後は、殻の内側にこびりついた白身もこそぎ取るべきとし、「最も濃厚な白身はここに残る。特に、白身を泡立ててメレンゲを作る際は、必ず使っていただきたい」などとアドバイスした。
黄身に箸で十文字を入れるとかき混ぜやすく、フライパンを持つ手首をテンポよく動かしながら、強火で約35秒間焼くのが理想的とのこと。火を通しすぎないことが、外はふわふわ、中はとろ~りと仕上げるコツで、バターの風味が好きな人には、皿に載せてからハケで塗るよう提案した。
『オムレツ作りの最大のポイント』として挙げたのは、意外にもサラダ油の使い方。フライパンが200度Cまで温まった時点で、サラダ油を多めに注ぐのが小早川流だが、その際にジュッ!という音が聞こえれば、適温(200度C)の証拠だとか。多めの油を全面にめぐらせてから、余分な量を捨てると、フライパン上の温度ムラが無くなり、焼きやすくなるという。
講師として参加した東京ガス(株)『食』情報センターの杉山智美主幹は、最新型ガスコンロの扱い方を指導し、プロの料理人のオムレツ作りについて『調理科学』の視点から分析した。オムレツの善し悪しは柔らかさに左右されると強調し、調理のコツを(1)卵をしっかり溶きほぐし、十分に泡立てると柔らかいオムレツを作れる(2)フライパンの上でもかき混ぜながら、強火で手早く焼くこと(3)最新のコンロを使う場合は、温度調整機能で200度Cに設定すると良い――などと紹介した。
参加者の中には、普段はキッチンに立たない人も多かったようで、両講師のアドバイス後も不安そうな表情がちらほら…。小早川シェフが「オムレツは誰でも簡単に作れる料理。最初は失敗しても、すぐに作れるようになる」と、緊張気味の人を勇気づけた。
会員を代表して、島田会長が見本のオムレツ作りにチャレンジ。「あまり料理はしないので」と謙遜しながらも、小早川シェフや杉山主幹のアドバイスをしっかりと実践。フライパンをリズミカルに揺すって丁寧に焼き上げ、完成したふわふわのオムレツに会場中から大きな拍手が送られた。
その後、参加者全員が一斉に挑戦。和気あいあいとした雰囲気の中、オムレツを完成させた。テーブルではキユーピーマヨネーズをベースとした「高菜の和風タルタルソース」、カゴメのトマトケチャップを使った「大人のカクテルソース」を載せ、オムレツ談議に花を咲かせながら試食、親睦を深めた。
仲谷アナからマイクを向けられた(株)藤橋商店の藤橋拓志社長は「ムッシュ(小早川シェフのこと)から助言を受けて作ったところ、偶然かもしれないが上手く作れた」とコメント。成功の要因を聞かれると「卵への愛です」と切り返し、誰に作りたいですか?との問いには「愛してやまない妻に作りたい」とのろけてみせ、会場の雰囲気を大いに盛り上げた。
イベントの締めには、フランス・リヨン出身の料理研究家、ナタリー・ベルジュロンさんがあいさつ。来日して最初に驚いたことは、白い殻の卵(白玉)を初めて見たことだったそうで「フランスでは赤玉しか見たことがなく、卵は6個入りパックか12個入りで、中のサイズもバラバラ。日本にはMサイズのパックやLサイズがあって感動した」とし、オムレツについては「フランス人も大好きなメニューで、財布に優しく、誰しもが簡単に作れる大変便利な献立の一つ。オムレツの中にはどんな具材でも入れられるため、冷蔵庫内の“在庫処分”の面からも大変ありがたい料理だ」と、にこやかに話した。
同会はウェブサイトの楽天レシピで、7月1日まで「オムレシピ」のアイデアなどを募集中。6月19日現在で5400件以上のレポートが投稿されている。会員企業のカゴメは、トマトケチャップの購入者に全国たまご商組の「たまごギフト券」などが当たるオムレターキャンペーンを実施し、6月のオムレツ月間を盛り立てている。
【イベントには「オムレツの会」の会員や関係者ら40人以上が参加した】