平成23年の経営統計 養鶏の所得は前年下回る 1キロ当たり生産コストは鶏卵180円、ブロイラー160円
農林水産省が去る12月3日に公表した平成23年の営農類型別経営統計によると、23年の採卵養鶏とブロイラー養鶏の農業所得は、いずれも前年を下回った。配合飼料価格が前年より値上がりするなど、生産コストが上昇したことが主な要因とみられる。経営統計を基に本紙が試算した鶏卵1キロ当たりの生産コストは前年比4.8%高の179円81銭、ブロイラー生体1キロ当たりの生産コストは2.2%安の159円92銭となった。採卵養鶏とブロイラー養鶏の経営概要は次の通り。
採卵養鶏
23戸の月平均飼養羽数は1万3773羽で、前年に比べ1.5%増加した。
畜産収入全体の平均は4・7%増の4223万8000円。このうち鶏卵の収入(成鶏を含む)は4.7%増の4195万7000円であった。
経営費の合計は5.6%増の4050万1000円。このうち飼料費が67.1%(前年66.7%)、動物費(ひな代、若めす代を含む)が8.1%(同10.8%)となり、この2費目で全体の75.1%(同77.6%)を占めている。
▽生産コストの概要
経営費(4050万1000円)を月平均飼養羽数(1万3773羽)で割った1羽当たりの生産コストは前年比4.0%増の2941円(前年2827円)。鶏卵生産量(224.24トン)で割った鶏卵1キロ当たりの生産コストは179円81銭(前年171円65銭)で、4.8%上昇した。
規模別の鶏卵1キロ当たりの生産コストは、3000羽未満は246円64銭(前年256円18銭)、3000羽以上1万羽未満が183円75銭(同185円72銭)、1万羽以上3万羽未満が176円71銭(同164円94銭)、3万羽以上が176円14銭(同163円46銭)となった。
ブロイラー養鶏
25戸の年間平均販売羽数は19万8428羽で、前年に比べ3.5%増加した。
畜産収入の平均は0.6%減の9468万4000円。このうちブロイラーの収入は0.5%減の9468万2000円であった。
経営費の合計(平均)は1.6%増の9170万6000円。このうち飼料費が64.6%(前年63.3%)、動物費(ひな代)が14.8%(同15.7%)となり、この2費目で全体の79.4%(同79.0%)を占めている。
▽生産コストの概要
経営費(9170万6000円)を年間平均販売羽数(19万8428羽)で割った1羽当たりの生産コストは462円16銭(前年470円71銭)で、前年に比べ1.8%下落した。
これを23年の1羽当たりの平均生体重(農水省統計=2.89㌔)で割った生体1キロ当たりの生産コストは159円92銭(前年163円44銭)で、2.2%下落した。
規模別の生体1キロ当たりの生産コストは、年間平均販売羽数10万羽未満が280円98銭(同277円57銭)、10万羽以上20万羽未満が173円05銭(同159円25銭)、20万羽以上が141円84銭(同146円08銭)となった。