長野・会田共同養鶏組合が創立50周年 安全・安心の『たまご』づくり
農事組合法人会田共同養鶏組合(中島学組合長理事―長野県松本市会田1566)は、昭和38年4月に7戸の農家が協同の力でスタートして今年で50周年を迎えたことから、4月11日に松本市大字里山辺のホテルシ翔峰で全国の取引先や養鶏関係者、組合OBや地元関係者ら約150人を招いて記念式典を開いた。
熊田弘常務理事が開会を宣言し、あいさつに立った中島組合長は、多数の出席者に謝意を表するとともに、「昭和38年4月に、庭先養鶏農家が、新しい時代を、希望を持って生きるためには、協同による近代化以外にないと思いを致し、農業基本法の理念に基づき、選択的拡大部門に採卵養鶏を据え、組合を設立した。この50年を振り返ると、様々な困難や課題にも遭遇したが、その都度、諸課題を乗り越え、本日の50周年式典を迎えることができたのは誠に感激で、組合員一同は心から喜びをかみしめているところである」とし、この間の行政関係を始め、取引先や中央の各養鶏団体、組合OBらの協力に改めて感謝した。
そのうえで、「日本は今、政治、経済とも新しい転換期に直面しているが、今年は奇しくも国際協同組合年に当たり、私どもは、協同組合の理念を改めて掘り下げながら、グローバルな視野に立って、新たな選択を求めていかなければならない。私どもの生業は、まさに命を守り、育てる産業である。大地に立脚し、真に安心・安全な食品を送り届ける生業は、時代を超えてなお不滅である。
50年を節目として、私どもは創業の理念である真に幸福を体得できるユートピアの実現を目指し、次なる50年へ出発する。今まで、長くお付き合いいただいた数多くのお得意さまをはじめ、親身になってご支援いただいた皆様方には、何卒倍旧のご指導とご鞭撻を賜りますよう、心からお願い申し上げる」などと述べた。
特にこの50年でお世話になった長野県信用農業協同組合連合会、税理士法人大沼田経営会計事務所、らでぃっしゅぼーや(株)、(株)マツヤ、生活クラブ生活協同組合長野の各代表者に感謝状が贈呈された。
同組合は約20万羽の採卵養鶏規模であるが、昭和51年に自家配合飼料工場を建設し、55年に第1種承認工場の認可を受けてから、安全性を追求した養鶏へ大きく転換、HACCPを推進するとともに、地域社会や生態系を尊重した循環型農業の確立にも積極的に取り組んできた。現在は平飼い鶏舎14棟、ケージ鶏舎13棟、平飼い有機自然卵生産の信州たまご山ランド、飼料用米倉庫1棟、GPセンター2棟、JAS認証野菜農場や水田、牧草地などを有し、安全・新鮮・信頼の平飼いたまご、牧草たまご、米たまご、健やかたまご、温泉たまご、無農薬有機野菜、あい鴨米などを、地元をはじめ全国に販売している。
多数の来賓を代表して長野県農政部の萩原正明部長(代理・松本地方事務所の小穴善一農政課長)、長野県信用農業協同組合連合会の花岡桂市代表理事(代理・南澤秀明常務理事)、(社)日本養鶏協会の竹下正幸会長(代理・島田英幸専務理事)、若林健太参院議員(自民)、萩原清長野県議会議員が祝辞を述べ、積み重ねた50年の会田共同養鶏の実績と信用力、中島組合長らのリーダーシップを高く評価し、「地域に根ざした組合として、さらに発展してほしい」と激励した。
50周年記念実行委員長の上村博文理事の閉会の辞で式典を終え、祝宴に移った。
中島組合長と来賓の12人を加えた鏡開きに続き、松本ハイランド農協の清水敏郎代表理事副組合長の発声で乾杯、なごやかに歓談した。この間、取引先の生活クラブ生協長野の石川京子理事長、らでぃっしゅぼーや(株)の後藤和明常務、夢市場(株)の小野敏明社長、(株)クレストの栗木鋭三会長らが思い出を語り、(株)ゼンケイの石澤直士社長の万歳三唱で散会した。
午後2時30分からは、歌手の鳥羽一郎と渕上雅代を招いた創立50周年記念コンサートが松本市四賀体育館で開かれ、四賀地域の800人が『兄弟船』などをはじめとする海もの、船もの演歌を楽しんだ。
【全国から約150人が出席して会田共同養鶏組合の創立50周年を祝う】