4~6月期の配合飼料価格値上げ 全農900円、商系1220~1300円
全農や主要配合飼料メーカー11社(団体)は3月16日、4~6月期の配合飼料価格を値上げすると発表した。南米の高温乾燥への懸念などで、主原料のトウモロコシや大豆かす価格が値上がりしたほか、為替が円安傾向で推移したためで、全農の値上げ幅は、全国全畜種総平均でトン当たり約900円。商系8社は1220円~1300円、日鶏連は1290円で、11社(団体)の加重総平均では1100円程度(本紙試算推定)の値上げになるとみられる。
配合飼料価格の値上げは3期ぶり。飼料価格は値上げ、値下げを繰り返しているが、再値上がり前の平成22年10~12月期に比べると、約4950円高いままとなっている。飼料基金からの補てんは、4~6月期はないため、鶏卵、食鳥相場が低迷している中で、生産者の負担は大きくなる。
全農が発表した飼料情勢の要旨は次の通り。
▽飼料穀物=トウモロコシのシカゴ定期は、一時6ドル/ブッシェル前後まで下落したものの、南米の生産量見通しが下方修正されたことから上昇し、現在は6ドル台後半で推移している。今後は米国の期末在庫率が低水準にあることに加え、輸出需要が増加傾向にあるため、シカゴ定期は堅調に推移すると見込まれる。
▽大豆かす=大豆かすのシカゴ定期は、12月中旬には310ドル/トン前後で推移していたが、現在は400ドル前後で推移しており、国内産大豆かす価格も値上がりが見込まれる。
▽海上運賃=米国ガルフ・日本間のパナマックス型海上運賃は、12月中旬の60ドル/トン前後から、現在は50ドルを下回っているものの、今後は南米産新穀大豆の中国向け輸送が最盛期を迎えることから、堅調に推移すると見込まれる。
▽外国為替=現在は円安となり、1ドル=83円前後で推移しているが、日米の景気の先行きに不透明感があることから、今後は一進一退の相場展開が見込まれる。