食品の放射性物質規制値を厳格化へ 厚生労働省
厚生労働省は11月24日、食品中の放射性セシウムの規制値を、年齢や性別ごとに細かく分ける方針を示した。新基準の施行は、食品からの被ばくの許容量を現在の5分の1(年間1ミリシーベルト以内)に厳格化するのに合わせて、来年4月になる見通し。
鶏卵と鶏肉は現在、暫定規制値で一律「1キログラム当たり500ベクレル」までと定められているが、改訂後は年齢や性別によって規制値が異なり、特に乳幼児や若年層向けの規制値がより厳しくなるとみられている。
改訂案は24日に開かれた専門部会(薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会放射性物質対策部会)に示され、了承された。
内容は(1)規制値の対象年齢を「1歳未満」「1~6歳」「7~12歳」「13~18歳」「19歳以上」の5つに分け、男女間で摂取量の差が大きくなる13歳以上の年齢区分については、男女別に評価する(2)食品を現在の5分類(「飲料水」「牛乳・乳製品」「野菜類」「穀類」「肉・卵・魚その他」)から、「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」「一般食品」の4分類とする。鶏卵と鶏肉は一般食品に含める(3)新たな規制値は、セシウムが規制値内であれば、ストロンチウムなど他の放射性物質も規制値内に収まるように調整する。このためセシウム以外の放射性物質の規制値は示さない――など。
鶏卵・鶏肉を含む「一般食品」の新たな規制値などについては、今後の部会や分科会で詰め、文部科学省の放射線審議会の了承を得た上で、パブリックコメントを募集し、来年4月に新基準を施行する。
ただ、これまでの各県での検査結果では、鶏卵、鶏肉とも「不検出」が続いているほか、福島県の緊急モニタリング検査でも「検出せず」が続いている。