国産麦のふすまと麦ぬか 飼料の放射性物質対応で農水省が通知

農林水産省は9月13日、放射性セシウムの暫定許容値を超えた飼料の流通を防ぐため、今年度産の麦の副産物である「ふすま」と「麦ぬか」を利用する場合の留意点を取りまとめ、都道府県と関係各団体に通知した。
政府は6月以降、東日本の17都県で生産された小麦や大麦の放射性セシウム濃度を測定し、暫定規制値(500ベクレル/キログラム)以下の麦だけが流通する体制を取っている。8月末までに検査と集計を終えたのは、東京と山梨を除く15県(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川、新潟、長野、静岡)の537件で、不検出は251件。暫定規制値を超えたものは1件だけであった。
麦の副産物であるふすま、麦ぬかは、玄麦の表皮から生産されるため、より放射性物質の濃度が高くなる傾向があることから、飼料に利用した場合に暫定許容値(300ベクレル/キログラム)を超えないように指導したもの。
通知では、(1)麦の生産出荷団体は、玄麦の放射性セシウム検査の結果を、販売先の製粉・精麦事業者などに伝える(2)ふすま、麦ぬかの放射性セシウム濃度は、直接測定した場合を除いて、玄麦の検査結果に加工係数の3を掛けて算出する(3)製粉・精麦事業者などは、算出した放射性セシウム濃度に応じて、暫定許容値を超えない飼料となるようなふすまや麦ぬかを出荷し、販売先には対応状況などを情報提供する④飼料の製造業者や販売者は、川上の事業者の取り組みを踏まえて、飼料のセシウム濃度が暫定許容値を超えないようにする――などの取り組みを求めている。
17都県以外で生産された今年度産の麦やふすま、麦ぬかについては、これらの取り組みがなくても食品や飼料として販売できるとしている。
平成21年度の全国の麦の消費量は593万トン、うち国産は約1割の87万トン、東日本の17都県産は約2%の13万トンにとどまる。

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