中川農相が国産鶏の開発を指示 新たな予算が伴うか注目
鳥インフルエンザの世界的な流行によって、特にひなの元となる原種鶏や種鶏の輸入がストップした場合の影響が心配された中で5月9日、閣議後の記者会見で中川昭一農林水産大臣は、「日本での優良品種の開発」を指示する考えを示し、注目された。
現在、わが国における外国鶏のシェアは、ブロイラーで99%、レイヤーで93%と圧倒的。国産ひなは、ブロイラーでは兵庫牧場の「はりま」や、いくつかの県で開発した地鶏、レイヤーでは岡崎牧場の「ノーリンクロス」と、民間の後藤孵卵場(株)の「もみじ」「さくら」などわずかである。
農林水産省では、国内で鶏を開発する意義として、(1)世界の育種会社の寡占化が進む中で、育種素材を確保しておく必要がある(2)何らかの原因でわが国にひなが供給されなくなった場合に、養鶏産業は成り立たなくなる――などを強調し、具体的な鶏の改良増殖目標を掲げて育種改良に力を入れている。
今回の中川大臣の指示が、新たな予算の裏付けを伴うことになるかどうかが注目される。