養鶏11団体の抗議でフジテレビが謝罪・訂正 1月20日の番組内で放送
人気占い師の細木数子氏が、番組内で鶏卵への不信を誘発するような発言をしたとして、養鶏関連11団体がフジテレビに抗議していた問題で、フジテレビは去る12月26日、山田良明常務取締役名で「事実誤認があった」と謝罪し、「訂正する」とした。
この問題は、昨年11月11日に放送されたフジテレビのバラエティー番組「幸せって何だっけ」内で、出演者の細木氏が鶏卵産業について、
(1)養鶏場では24時間明かりをつけて夜もない状態で卵を産ませている。
(2)今の時代、生産する食べ物がほとんど薬で作られている。鶏卵に関して言えば、鶏のえさの中に薬を入れて食べさせる。
(3)鶏に1日2~3個の卵を産ませている。
――などと発言したことが発端。
日本養鶏協会など養鶏関連11団体は「細木氏の発言は養鶏産業の現状や技術体系とは全く乖離し、科学技術論的にもあり得ない内容があり、鶏卵への不信を誘発した」として、11月28日付で番組を放送したフジテレビに、具体的な反論を付けて抗議していた。
抗議を受けたフジテレビは、
(1)に関しては、放送後改めて資料、文献、また専門家に確認した結果、「鶏舎の照明点灯時間は14時間~17時間程度であり、24時間連続点灯することはないということがわかりました。またその目的は、季節によって日照時間が異なるため、照明を人為的に一定時間点灯することによって、鶏卵の生産効率を持続させるためであることもわかりました」とした。
(2)に関しても、「養鶏ならびに鶏卵生産においては、薬事法により抗生物質などの薬物の使用が規制されており、その法律を守った上で生産・出荷されています。今回『鶏の飼料に薬が使われている』など『薬』という言葉を多用した表現は、消費者に対し法律に違反して薬物投与を行なっているような誤解を招く可能性のあるものでした」とした。
(3)に関しては、「放送後私どもの調査した結果でも、鶏に卵を1日に2~3個産ませることは不可能であるということがわかりました」――などと回答し、全面的に事実誤認を認めて謝罪するとともに、番組内で必要な訂正と、お詫びを盛り込んだ形で編集した鶏卵生産の現場の内容を放送することを約束した。
フジテレビでは、1月6日に千葉県君津市の鈴木養鶏場(鈴木信良社長)を取材し、1月20日(金)の同番組内で放送した。