142円(前年比26円安)で決定 16年度卵価基金基準価格
平成16年度の卵価基金の補てん基準価格が、前年度を26円も下回る過去最低の142円で決まった。
16年度の補てん基準価格については、15年度の標準取引価格が戦後最低水準で推移したために大幅な補てんとなり、年度途中で財源が枯渇して補てん金の支払いが打ち切られたことや、今年に入っても卵価の低迷が続いたため、加入生産者の経営安定か、基金の健全運営かの両面から、基準価格がどうなるのかが注目されていた。
全農系の全国鶏卵価格安定基金は4月22日に、全鶏連系の全日本卵価安定基金は23日に、それぞれ評議委員会、理事会を開いて、基準価格の水準を検討した。積立金は前年度と同額としたものの、基準価格の水準を決めるまでには至らず、理事長に一任していた。
生産者団体などは、飼料価格が値上がりしてコストが上昇していることや、低卵価で厳しい経営が続いていることなどから、16年度の基金の財源は当年度積立金分しかないものの、基準価格は生産者の経営安定のためにも150円台の水準で決めたいとしていた。
これに対して農林水産省は、15年度は基準価格の水準が高かったこともあって財源が枯渇した。16年度の財源も限られており、高い水準で決めると2年続きの補てん打ち切りになりかねない。今年に入っても卵価は前年を下回る水準で推移しており、減羽ができやすい環境を作るためにも基準価格を引き下げるべきだ――などを理由に、140円を主張していた。
このため生産者団体などは結局、基金の財源問題などから農水省の主張に押し切られた形になった。
卵価は4月後半から回復傾向で推移したため、4月の標準取引価格141円83銭では補てんが発生しないことや、5月も補てんの見込みがないことなどから、低卵価で現在が一番厳しい経営環境にある加入生産者の間では、早期の期中改定(引き上げ)を望む声が強い。