バーサ・BDA「NP」に頚部皮下接種を追加承認
塩野義製薬(株)動物薬品部は、IBD生ワクチン『バーサ・BDA「NP」』に、今回新たに頚部皮下接種が追加承認されたと発表した。
鶏伝染性ファブリキウス嚢病(IBD)を予防するために、生ワクチンおよび不活化ワクチンが広く応用されている。ヒナは、移行抗体で孵化後2~4週間程度は、野外のIBDウイルスの感染・発症を防御することができるが、移行抗体は生ワクチンのテイクを妨げるため、移行抗体が低下する2~4週齢の間に、生ワクチンを通常複数回、飲水に混合し投与する必要がある。
バーサ・BDA「NP」は、弱毒IBDウイルス2512G―61株に抗IBDウイルス鶏血清(BDA)を混合した生ワクチンで、米国エンブレックス社が開発。日本ファマシー(株)が商品導入を目的として安全性と有効性を確認して輸入承認されたワクチンで、今回新たに頚部皮下接種が追加承認されたもの。
同ワクチンは、これまでの飲水投与型のワクチンと異なり、18~19日齢の発育鶏卵内や、初生ヒナの頚部皮下に1回投与することで、移行抗体の有無、あるいはその高低にかかわらず、鶏に十分な免疫を付与することができる。また、発育鶏卵内投与は自動卵内接種機によって孵化場でのワクチン投与作業を大幅に省力化できることや、両投与方法ともコマーシャル農場におけるIBD生ワクチン投与を必要としないなど、大きな利点がある。
成分・分量は、乾燥ワクチン1バイアル(千羽分)中、主剤として弱毒伝染性ファブリキウス嚢病ウイルス2512G―61株と抗伝染性ファブリキウス嚢病ウイルス(I型)鶏血清を、安定剤として精製白糖、L―グルタミン酸カリウム、リン酸二カリウム、リン酸二水素カリウムを、保存剤として硫酸ゲンタマイシンを含有している。
用法・用量は、発育鶏卵内または頚部皮下に接種し、発育鶏卵内接種では同ワクチンを日局生理食塩液で1羽分当たり0.05mlになるように溶解し、自動卵内接種機を用いて、18~19日齢発育鶏卵内に、1個当たり1羽分を接種する。頚部皮下接種では、同ワクチンを日局生理食塩液で1羽分当たり0.2mlになるように溶解し、初生ヒナの頚部皮下に、1羽当たり1羽分を接種する。
ワクチンは2~5℃で保存する。有効期間は36か月間。包装単位は千羽分×10バイアル。
詳細は、同社動物薬品部(電06・6209・6748)へ。