鶏舎自動水洗ロボット「ウォッシュパワー・プロクリーナーP200」 大宮製作所が発売開始

水洗作業を40%効率化

畜産機械メーカーの㈱大宮製作所(栗山裕光社長―本社・京都府宇治市伊勢田町中ノ荒30)は、鶏舎自動水洗ロボット「ウォッシュパワー・プロクリーナー(Washpower ProCleaner)P200」の発売を開始した。

ブロイラー農家にとって、通常の飼育期間以外のアウト工程(捕鳥、除糞、水洗作業など)は労力と時間を要し、負担がかかる作業である。昨今は水洗作業員の人員不足や高齢化などの問題も抱え、多くの契約農家と取引している大手インテでも、水洗作業の効率化は急務とされている。

デンマーク製の「ウォッシュパワー・プロクリーナーP200」は、内蔵されたタッチパネル式のコンピューターに鶏舎の間口、長さ、高さなどを入力することで天井、壁、妻壁、床を全自動で洗浄でき、ロボットが始動すると基本的には無人で作業する。ノズルを中心に〝8の字〟を描くように動くため、ロボットから見える範囲すべてに水が届く構造になっている。水洗作業全体の40%を補う作業ロボットで、換気扇や入気口の中、給餌機、ニップルなどの細かい部分、最後の床洗浄などは人手による水洗作業が必要になる。

ロボットから見える範囲すべてに水が届く

日本で標準的な150~300坪の鶏舎では2時間以内に作業が終了するため、1日に約4鶏舎分の作業が可能になる。夜間にロボットをセットしておくと、朝の作業開始時に仮水洗が終了し、各所がふやけていることもあって、仕上げの水洗作業がかなり楽になる。使用例として300坪の鶏舎であれば、約1.5時間の作業時間と、5~6トンの水使用量で仮水洗が終了する。

標準的な鶏舎では2時間以内に作業が終了

「ウォッシュパワー・プロクリーナーP200」は、天井の有無などの鶏舎構造に応じてノズルを交換し、水圧を調整することで、最適な洗浄状態を作り出すことができる。最大で間口24m、長さ130mまでの鶏舎に対応する。ポンプ出力は10Barで200V(20Aまたは30Aに対応)電源が必要。400リットルのバッファータンクを持ち、毎分75リットル分の水量供給が標準仕様となる。

鶏舎の奥にはトラクターなどでけん引する

ロボット本体の大きさは長さ2.8m、幅1.5m、高さ1.8m、重さ800kgで、輸送にはフォークリフトなどが必要になる。鶏舎の奥までけん引するためのトラクターなどがあると、さらに作業が楽になる。いくつかの追加オプションも用意している。

問い合わせは大宮製作所(電0774-41-6184)へ。