消費者に伝えるべき「たまごの価値」は「栄養・健康効果」がトップに 『鶏卵業界関係者へのアンケート』結果
たまご知識普及会議がまとめる 業界内の連携は「必要」が9割
「たまご知識普及会議」(構成団体=〈一社〉日本養鶏協会・国産鶏卵に関する普及啓発問題検討委員会、〈一社〉日本卵業協会、JA全農たまご㈱、キユーピータマゴ㈱、事務局=日本卵業協会内)は、6月1日から16日まで実施した『鶏卵業界関係者へのアンケート』の結果を集計し、7月5日に公表した。
今年は後半にかけて供給の回復が見込まれる中、消費者が感じている卵の価値や魅力の一層の向上を通じた需要の回復も課題となっていることから、特に必要な活動について鶏卵業界関係者へのアンケートを企画したもの。
質問は①消費者に伝えるべき「たまごの価値」は?(複数回答可)②最も伝えるべき「たまごの価値」は?③業界の課題解決に向けて、たまご知識普及会議が取り組むべき施策は?(複数回答可)④前問の回答のうち最優先で取り組むべき施策は?⑤鶏卵業界は業界全体での連携が図れていると思うか?⑥鶏卵業界全体が連携することは必要だと思うか?⑦鶏卵業界全体が連携するために必要な取り組みは何か?(複数回答可)⑧食育に関連する独自の取り組みをしているか?⑨前問で「積極的に行なっている」「最低限行なっている」と回答した方の理由(複数回答可)⑩食育について「課題認識はあるが行なえていない」「全く行なえていない」と回答した方の理由(同)⑪現在の鶏卵業界における課題は?(同)⑫前問の回答のうち最優先と感じることは?――の12問で、270件以上の回答が集まった。
①の回答は「栄養・健康効果(たまごは『命のカプセル』、栄養豊富で手軽に食べられる食材、あらゆる世代の健康づくりに貢献するなど)」が84%、②の回答も「栄養・健康効果」が51%で最も多くなり、次いで「安全・安心(日本の生食文化は世界で唯一無二、高度な衛生管理技術、生産者のHPAI対策など)」や「おいしさ(たまごそのもののおいしさ、どんな食材とも相性が良い、様々なレシピで楽しめるなど)」、「生産者の想い(養鶏は農業、大地と命の恵みが詰まっている、養鶏は地産地消の産業)」などが発信すべき価値として上位に挙げられた。
③と④の回答は、ともに「業界内で連携する仕組み作り」が最も多く、次いで「食育活動」「WEB・SNSのオンラインプロモーション」「マスプロモーション」が上位に挙げられた。⑤の回答は36%が「どちらともいえない」、30%が「あまりそう思わない」、18%が「ややそう思う」と回答した。⑥の回答は「非常にそう思う」「ややそう思う」の合計が91%に上ったことから、業界の一層の連携強化が重要と考える関係者が多いことがうかがえる結果となった。この結果について同会議は「今後、業界内で連携する仕組み作りを具体的に示していく必要があると再認識した」とコメントしている。
⑦の回答は「情報共有するリアルの場」が33%、「情報共有するデジタルの仕組み」が29%、「共同出展するイベント・展示会の場」が15%といった結果となった。
⑧の回答は33%が「課題認識はあるが行なえていない」、22%が「最低限行なっている」、16%が「全く行なっていない」、15%が「積極的に行なっている」となり、何らかの食育活動を行なっている回答者の割合は37%となった。⑨の回答は、28%が「たまごの素晴らしさを伝えて、価値向上・消費拡大につなげたいから」、14%が「養鶏の素晴らしさを伝えて、価値向上・消費拡大につなげたいから」、12%が「地域とのつながりを強めたいから」など。⑩の回答は、31%が「具体的に何をすれば良いのか分からないから」、26%が「食育を行なう場がないから」、13%が「食育に使うツールがないから」などの結果となった。これについて同会議は「食育を広げていくことも重要と考えており、今後、具体的な食育ツールや食育実施手引きなどを開発していくことが必要と捉えた」と述べている。
⑪と⑫の回答は、いずれも「高病原性鳥インフルエンザ対策」が最も多く、次いで「飼料をはじめとする物価の上昇への対策」「鳥インフルエンザによる需給バランスの大幅な崩れへの対策」が上位に挙げられた。
同会議では「これらの結果を今後の施策の参考にさせていただき、鶏卵業界関係者とともに、『たまごの価値向上』や課題解決に取り組んでいくため、今後ともご支援、ご協力をよろしくお願いします」とコメントしている。