香川県で4例目と5例目 高病原性AI
飼養衛生管理基準に基づくん防疫対策の徹底を
香川県と農林水産省は11月13日に三豊市の肉用種鶏農場(約1万羽)で4例目、15日に三豊市の採卵鶏農場(約7.9万羽)で5例目の高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)が発生したと発表した。
4例目の肉用種鶏農場と5例目の採卵鶏農場は3例目と同様に、三豊市の1例目の発生農場から半径3kmの移動制限区域内。5日の発生を受けて、県の周辺農場への立ち入り検査による飼育鶏の遺伝子検査・抗体検査では陰性だった。
4例目の肉用種鶏農場からは12日に死亡鶏増加の通報があり、簡易検査で13羽中10羽(死亡鶏11羽中10羽、生存鶏2羽中0羽)の陽性を確認。遺伝子検査の結果を13日に農水省に送付し、H5亜型のHPAIの疑似患畜が確認。県では防疫措置(飼養鶏の殺処分、死体と汚染物品の処理、家きん舎の消毒)を17日に完了した。
5例目の採卵鶏農場からは14日に死亡鶏増加の通報があり、簡易検査で13羽中11羽(死亡鶏11羽中9羽、生存鶏2羽中2羽)の陽性を確認。遺伝子検査の結果を15日に農水省に送付し、H5亜型のHPAIの疑似患畜が確認。県では飼養鶏の殺処分を16日に完了し、埋却作業を進めている。
4例目と5例目のHPAIウイルスは18日にH5N8亜型と確定した。
防疫措置は、2例目の東かがわ市の採卵鶏農場(約4.7万羽)が12日、1例目の三豊市の採卵鶏農場(約31.7万羽)が15日に完了。また、16日から当面1か月間、三豊市の県道などの幹線道路と、一定規模以上のため池付近の渡り鳥営巣地を消毒する。
1例目の発生農場の半径3km圏内には採卵鶏・肉用鶏・種鶏農場など26戸・約189万羽。3~10km圏内には同89戸・約273万羽が飼われている。疫学調査チームは衛生管理の不備を指摘しているが、初発後の立ち入り検査では陰性だったことから、一部では防疫措置に伴う人や物の移動、さらにはネズミなどの移動がウイルスを拡散させた可能性を指摘する見方も出ている。現時点で香川県以外では発生していないが、全国的にリスクはあるため、農場周辺の消毒、野生動物の侵入防止(防鳥ネットの確認、鶏舎の隙間の点検補修)、人・車両の出入りの厳重管理、鶏舎ごとの専用衣服・長靴の交換など、万全の対策を徹底しなければならない。
出水市の野鳥関連からH5N8ウイルス
環境省は、11月13日に鹿児島県出水市で採取した環境試料(ツルのねぐらの水)、17日に野鳥糞便からHPAIウイルス(H5N8亜型)を検出。死亡野鳥2羽からA型AIウイルス遺伝子の陽性反応を確認し、それぞれの採取地点の周辺10km圏内を野鳥監視重点区域に指定した。
鹿児島県は14日、HPAIウイルスの検出場所から半径3km圏内の13養鶏場(採卵鶏12、肉用鶏1)に緊急消毒用石灰を配布するとともに、立ち入り検査で異常がなかったことを確認。県庁で緊急防疫対策会議を開き、県内の養鶏関係者らに飼養衛生管理基準の順守や、防疫対策の徹底を要請した。