韓国が日本産卵の輸入を解禁

農林水産省は11月27日付で、韓国への食用生鮮家禽卵の輸出が解禁されたと発表した。日本から卵が輸出できるのは香港、シンガポール、台湾、米国と合わせて5か国・地域となった。

日本政府は2016年5月に「農林水産業の輸出力強化戦略」で、韓国向けの卵を重点品目に指定。その後、日本で高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)が発生して協議が進まなかった時期もあったが、今年5月には韓国が日本をAI清浄国と認めて食用卵の輸入許容国に指定。日韓両国は輸出証明書の様式など輸出条件に関する協議を進めていた。

韓国向けの主な輸出条件は、①日本で高病原性鳥インフルエンザの発生がないこと②生産農場で、輸出前60日間ニューカッスル病の発生がないこと③農林水産省に登録された農場で生産された卵であること④輸出卵はサルモネラ・エンテリティディス(SE)陰性であること⑤厚生労働省を通じ、韓国当局に登録された卵選別包装施設(HACCPの実施など)で処理された卵であること――など。

韓国では昨年初めに、大規模なAIが発生し、旧正月の需要期に鶏卵不足が深刻化。同国の昨年1月の卵価は前年の年間平均より4割以上高い10個当たり2000ウォン(約200円)を超え、米国産鶏卵を緊急輸入した経緯がある。ただ、昨年夏には殺虫剤のフィプロニル残留した卵が見つかった問題で消費が減退し、直近の今年10月は1100ウォン(約110円)程度で推移している。