米国産トウモロコシ、大豆の生産量は減少
需要材料乏しく相場は弱含み
米国農務省(USDA)は11月8日、同月の世界農産物需給予測月報(WASDE)を公表した。
19/20穀物年度の米国産トウモロコシ(新穀)の生産量は3億4701万トン(前年度比1928万トン減)、輸出量は4699万トン(547万トン減)、期末在庫は4853万トン(518万トン減)。米国内の飼料需要やエタノール需要も下方修正された。
主要生産国のトウモロコシ輸出量は、アルゼンチンが3350万トン(250万トン減)、ブラジルが3600万トン(500万トン減)、ロシアが570万トン(270万トン増)、ウクライナが3000万トン(30万トン減)と予想。
なお、オーストラリアの小麦生産量は厳しい干ばつにより弦月予想を80万トン引き下げ、1720万トンとなった。
米国産大豆(新穀)の生産量は9622万トン(前年度比2390万トン減)、輸出量は4831万トン(75万トン増)、期末在庫は1292万トン(1193万トン減)。
主要生産国の大豆輸出量は、アルゼンチンは880万トン(30万トン減)、ブラジルは7600万トン(114万トン増)。
中国の大豆輸入量は、前月予想と同じ8500万トン(246万トン増)としている。
ただ、穀物市場では需要面の材料が乏しい中、米中間の貿易紛争や香港問題での協議のこう着、ASF(アフリカ豚コレラ)のまん延などで先行きが懸念されており、シカゴ相場(期近物)も11月8日のUSDA予測に一瞬反応したものの、基調としては10月中旬以降、弱含みで推移し、11月27日現在のトウモロコシは1ブッシェル3.63ドル前後、大豆は8.82ドル前後で推移している。
アメリカ大豆輸出協会(USSEC)は11月18、19日に、日本の大豆需要家向けに収穫状況や品質を説明するセミナーを東京都内で開催。アメリカ大豆協会(ASA)のデビー・ステファンス会長らが講演し、春先の豪雨と大洪水で作付・収穫面積が前年度を大幅に(約14%)下回ったことなどを振り返った。
11月上旬現在の収穫作業は、例年であれば8~9割まで完了しているが、今年はトウモロコシ、大豆ともに7割台にとどまっている。