畜産関係展示会「ユーロティア」 先進的な技術や機器も紹介

レスペグトの球顎を生産する「セレグト(Seleggt)」社の卵内雌雄鑑別システム

レーザーで開けた穴から尿膜液を抽出してホルモンを判別する

ラミナーエアフローシステムなどを備えたハッチトラベラーシステム

国際的な畜産関係の展示会「ユーロティア(Eurotier)が、2月9~12日にオンラインで開かれた。

同展は2年に1回開催。今回は昨年11月にドイツ・ハノーバー国際展示場での開催が予定されていたが、新型コロナウイルスの影響で今年2月に延期されたもの。

酪農、養豚、家きん、エネルギー、排出削減などの各テーマを中心に、1223社・団体が出展。養鶏関係では、ビッグダッチマン、バイオミン、ベーリンガーインゲルハイムベトメディカ、コッブヨーロッパ、エランコアニマルヘルス、エボニック、EWニュートリション、ヘンドリックスジェネティックス、マレル、MSD、ノボジェン、バリー、ワクチノーバ、ベンコマチック、ビスコンハッチェリーオートメーション、ジンプロ、ゾエティスなどが製品やサービスの情報を提供した。

日本関連では、日本ニュートリションと微生物化学研究所(京都微研)、ワイピーテック、日立造船イノーバ、住友化学ヨーロッパなどが出展した。

地域・国別では、欧州のほか中国系の企業の出展が目立った。

先進的な技術も多数紹介。このうちハッチトラベラー(オランダ)は、ハッチテック社が提供するラミナーエアフローシステムや各種の特許技術を備えた2種類のひな輸送車(セミトレーラーとリジッドボックス〈荷台一体型〉)を紹介。外気も利用して室内を一定・均一の環境に保ち、斃死率やひな質の改善を図るとともに、燃料費も「最大80%節約できる」としている。

レスペグト(ドイツ・オランダ)は、9日齢の種卵のホルモンを検出することによる卵内雌雄鑑別技術を活用した卵を販売している企業として知られているが、同展ではブロックチェーン技術を使ったサプライチェーンモニタリングシステム(SCMS)や、同社の卵を使った食品への特徴的なマークのラベリング、雄ひなの肥育などを通じて、信頼性やブランド価値の向上に取り組むことなどで、増加したコストを養鶏場やパッキングセンターなど川下への販売価格に乗せられるようにし、孵化場の導入コストをなくしていることも紹介した。

ティボー(フランス)は、ネストでの産卵を促し巣外卵を低減するための農場管理者の舎内巡回を代行するロボット「スポートニク(Spoutnic)」を出展。ブロイラー種鶏や採卵鶏、七面鳥用など4機種や、ハバード社でのテスト結果などを紹介した。

ビッグダッチマン(ドイツ)も、研究中の巣外卵低減ロボット「バーニー(Barny)」を出展。いわゆる〝お掃除ロボット〟のように自動で動き、タブレット端末で管理可能。電源ポート「パワーネスト」にも自動で帰る。現在、試用試験段階で、巣外卵を最大75%低減する成果を挙げているという。

セミナーやプレゼンテーションも多数実施。チャットやミーティング機能もあり、来場者と出展者が双方向で交流した。

主催者発表による同展サイトへの参加者数は、世界128か国から延べ4万1000人強に上ったとのこと。

次回は2022年11月15~18日に、合同展としてドイツ・ハノーバーで開催するとしている。詳細はホームページ(https://www.eurotier.com/en/digital)へ。