栗駒ポートリーの農場、GPが竣工

防疫・衛生対策と合理化・省力化を徹底

栗駒ポートリーの東北GPセンター―

㈱栗駒ポートリー(境野徳夫社長―本社・宮城県栗原市金成有壁大日前81-1)は12月7日、本社と東北GPセンターが竣工し、栗原市金成の大梨農場の新設と、千葉県君津市の大井農場5号舎(10万羽)の増設が完了したことから取引先など約180人を招いてGPセンターの内覧会と、一関市のベリーノホテル一関で竣工披露パーティーを開いた。

本社事務所を備えた東北GPセンターは、敷地面積1万9323平方メートル、建物は鉄骨造り延べ面積3819平方メートル。内部の洗卵選別包装設備は㈱ナベルのオートパッカーシステム「C-NAEGS4000」(時間当たり4万卵処理能力)が2台。同機の特徴は、グレーディングした卵をストックしてからパッキングするため、仮に包装ラインがストップしても洗卵・選別工程は停止せず、機械の停止によるロスを最小限に抑えることができる。

東北GPセンターでは、2台の洗卵選別包装設備を平行にラインアップしているため1台のように見えるが、2台は完全に独立して作業している。さらに2台の製品出口を1か所に集約することで作業の効率化を図っている。また、使用した原卵トレーは、卵と分離したあと直接洗浄機に接続し、すぐに洗浄するようになっている。このほか、温泉卵製造室を備え、時間4000個の温泉卵を製造する能力を持っている。

竣工披露パーティーであいさつした境野社長は、多数の出席者に謝意を表するとともに、平成22年に㈱境野養鶏と岩村養鶏㈱、日本配合飼料㈱(現フィード・ワン㈱)が共同で農場を引き継ぎ、栗駒ポートリーを設立したが、翌23年に東日本大震災の被害を受けて飼養羽数70万羽から20万羽に減少したことや、29年3月には鳥インフルエンザ(AI)の被害を受けたことを振り返り、「この間、取引先に多大な迷惑と心配をかけることになった。このような反省から、より堅ろうで鶏病・衛生対策を徹底できる農場ということで、設備の更新や新築を図ってきた。GPセンターもこれまではインラインで、仮にAIの発生があった場合は、終息まで稼働できない場合も出てくるため、農場と分離したオフラインにすることで、防疫・衛生対策の強化と合理化・省力化をさらに図ることを決断し、土地を探していたところ、地域の皆様から誘致をいただき、新築することができた。今後は、地域の皆様に支えられ、お客様に迷惑をかけない、安全・安心でおいしい栗駒ポートリーのタマゴを安定供給していきたいと思っている。引き続きご支援ご協力をお願いしたい」などと述べた。

来賓として出席した栗原市議会の瀬戸健次郎議長、宮城県北部地方振興事務所栗原地域事務所の宮川耕一所長(代理・氏家哲畜産振興部長)、㈱日本政策金融公庫仙台支店の阿部司農林水産業統轄、㈱ベルジョイス第一事業部商品部の照井荘太郎日配グローサリー担当GM、野口建設㈱の野口典秀社長がお祝いを述べた。

瀬戸氏は「栗駒ポートリーの今後の発展と、地域の雇用の確保に尽力してほしい」と激励し、氏家氏は「東北の鶏卵供給基地としてますます発展してほしい」とした。阿部氏は「今後も宮城県の養鶏業界の中心企業として一層活躍することを期待している」と述べ、照井氏は「新施設で、ますます安全・安心な、おいしいタマゴを供給してほしい」とした。工事関係者を代表して野口氏は「皆さんのご協力を得て工事を完了させることができた。ますますのご発展をお祈りする」などと祝福した。

フィード・ワンの山内孝史社長の発声で乾杯してなごやかに懇談し、岩村養鶏の岩村忠輔社長の中締めに続き、栗駒ポートリーの本荘哲夫常務取締役の謝辞でお開きとなった。