日欧EPA 国会審議へ
政府は11月6日、欧州連合(EU=加盟28か国、総人口5億人)との経済連携協定(EPA)の承認案と関連法案を閣議決定し、現在開催中の臨時国会に提出した。今国会で成立させ、2019年2月1日の発効を目指す。EUの欧州議会は、12月に開く本会議でEPAの採決を行なう見通し。
鶏卵、鶏肉の輸入関税は、TPP11とほぼ同じように品目によって即時撤廃と段階的撤廃がある。
日本からEUへの鶏卵、鶏肉の輸出は全くなかったため、今回のEPAが発効すると、EUは鶏卵(粉卵等含む、100キログラム当たり16.7~142.3ユーロ)、鶏肉(同6.4%、18.7~102.4ユーロ)の輸入関税を即時撤廃するが、政府間の衛生条件の協議中でのため、現段階ではEUへ直ちに輸出できない。
日本の鶏卵、鶏肉の輸入関税の概要は次の通り。
冷凍卵白液卵、卵白粉(8.0%)は即時撤廃。
殻付卵(生鮮・冷蔵品、17%)は、発効時に20%削減し、6年据え置き、7年目から段階的に引き下げ13年目に撤廃。
殻付卵のその他のもの(ゆで卵やピータンなど、21.3%)は、段階的に引き下げ、11年目に撤廃。
全卵粉(21.3%)は、発効時に50%削減し、6年据え置き、7年目に25%削減し、6年据え置き後、13年目に撤廃。
冷凍全卵液卵(21.3%または1キログラム当たり51円の高い方)、冷凍卵黄液卵(20%または1キログラム当たり48円の高い方)、卵黄粉(18.8%)は、段階的に引き下げ、6年目に撤廃。
鶏肉関係では、鶏の肝臓(冷凍、3%)、七面鳥の肉および肝臓(生鮮・冷蔵、冷凍、3%)、アヒル・ガチョウの肉(丸どり、生鮮・冷蔵、冷凍、9.6%)、アヒル・ガチョウの脂肪質の肝臓(フォアグラ、生鮮・冷蔵、3%)、ガチョウの肉(丸どり以外、生鮮・冷蔵、9.6%)、アヒル・ガチョウの肝臓(冷凍、3%)、アヒル・ガチョウの肉(丸どり以外、冷凍、9.6%)、ほろほろ鳥の肝臓(冷凍、3%)、ほろほろ鳥の肉(生鮮・冷蔵、冷凍、9.6%)、家きんの脂肪・豚の筋肉層のない脂肪(食用背脂、油脂調味料原料など、生鮮・冷蔵、冷凍、塩蔵、塩水漬け、乾燥、くん製、6%)は即時撤廃。
鶏肉の丸どり(生鮮・冷蔵、11.9%)と丸どり、骨付きもも以外(冷凍、11.9%)、アヒルの肉(丸どり以外、生鮮・冷蔵、9.6%)は段階的に下げ、6年目に撤廃。
鶏肉の丸どり(冷凍、11.9%)、同骨付きもも(生鮮・冷蔵、8.5%)、同丸どり、骨付きもも以外(冷凍、8.5%)、同骨付きもも(冷凍、8.5%)は段階的に下げ、11年目に撤廃。
鶏肉調製品(6%、21.3%)のうち、牛・豚の肉を含むものは段階的に下げ11年目に撤廃。その他の牛・豚の肉を含まないものは発効時に20%削減し、その後段階的に下げ、6年目に撤廃。
このほか、飼料用麦は食糧用への横流し防止措置を講じた上でマークアップ(実質経費)を徴収しない民間貿易に移行(実質は承認工場制度と同じ)。飼料用ビタミン調製品やその他の飼料用添加物(3%)は即時撤廃。