捕鳥後の「出荷カゴ」を自動積み込みで省力化! 大宮製作所と山田車体工業の『チキンリフター』
㈱大宮製作所(栗山裕光社長―本社・京都府宇治市)は養鶏関係者に向けて、捕鳥後の出荷カゴ(生鳥カゴ)をトラックに自動で積み込む『チキンリフター』の提案を強化している。
チキンリフターは、同社と山田車体工業㈱(山田和典社長―本社・静岡県沼津市)の発売から約15年が経過。捕鳥後に鶏を入れたカゴ3~4段分を一度に持ち上げ、トラックの荷台に最高9段分まで機械的に積み上げる。
一般的に、生鳥入りの出荷カゴは重量25キロ前後で、3段重ねで80キロ近くに達することもある。8段に積み上げると高さは2メートルを超えるなど、作業時の事故発生リスクが高まる。
捕鳥作業は夜間や明け方に行なわれることも多く、大宮製製作所では「労働災害の面からみても危険を伴う重労働。近年、農業者福祉を意味する『ファーマーズウェルフェア』が日本でも求められるようになり、労働安全環境の改善は必須となっている」とし、チキンリフターの普及を図っている。
積み込み時の環境にもよるが、計600個のカゴを10~15分で積載可能。ユーザーからは①作業時間が3分の1以下になった②必要な人員が半分で済む――との声が届いている。
さらに近年は捕鳥業務の人手不足が加速化・深刻化していることから問い合わせが増加。大宮製作所は随時改良されてきた同機について「養鶏関係者が安心して使えるステンレス仕様。現行モデルはアルミフレームによる軽量化も図られている。クローラ(キャタピラ)による自走式のため場所移動も容易で使用場所も選ばない。トラックや荷台の高さは様々だが、要望に応じた仕様変更もできる」と説明。
カゴの積載パターンも設定可能で、3段×3回で計9段、4段×2回で計8段、3段と4段で計7段にするなどニーズに合わせた動きができる。ガソリンによるエンジン駆動がベースで電源は不要。
将来的には、大宮製作所と田中工機㈱(田中秀和社長―長崎県大村市)が手掛けた国内初の自動捕鳥機『チキンアガール』との連動性を高め、捕鳥から車両積載までの流れを大幅に省人化・省力化する予定。
大宮製作所の栗山社長は「養鶏業界の人手不足は待ったなしの状況。捕鳥作業に革命を起こすつもりで開発・製造・販売に力を尽くしている」と話している。
チキンリフターの仕様は幅1.2メートル、長さ2.3メートル、高さ2.7メートル、重さ約1トン。国内のほとんどのカゴ規格に対応している。