全農、トン約3900円値上げ 1~3月期配合飼料価格

トウモロコシと大豆かすが値上がり

JA全農は12月18日、令和3年1~3月期の配合飼料価格について、飼料原料や為替の情勢を踏まえ、前期(令和2年10~12月期)に対し、全国全畜種総平均でトン当たり約3900円値上げすると発表した。3000円を超える値上げは平成25年4~6月期以来となる。

今回の値上げの要因は、中国による米国産穀物の大量買い付けに伴うトウモロコシと大豆かす価格の値上がりなど。改定額は地域別・畜種別・銘柄別に異なるが、トウモロコシと大豆かすの配合割合が大きい養鶏用飼料の値上げ幅は、全国全畜種総平均を上回るとみられる。

全農が発表した飼料情勢は次の通り。

▽飼料穀物=トウモロコシのシカゴ定期は、9月上旬には360セント/ブッシェル台であったが、作付け期を迎えた南米産地での高温乾燥と、中国向けをはじめとした米国産トウモロコシへのおう盛な輸出需要により上昇を続け、現在は420セント/ブッシェル台となっている。また、シカゴ定期に加算される内陸産地からの集荷コストなどは、米国産の輸出需要が増加していることから上昇している。今後は、引き続き中国向けにおう盛な輸出需要が見込まれることや、南米産地の天候不安により、相場は堅調に推移するものと見込まれる。

▽大豆かす=大豆かすのシカゴ定期は、9月上旬には350ドル/トン台であったが、米国産地での高温乾燥による作柄悪化や、中国によるおう盛な需要を背景に米国産大豆の輸出数量が増加したことから10月には400ドル/トン前後まで急騰した。その後も、生育期に入った南米産地での高温乾燥による生育悪化を背景に上昇が続き、現在は420ドル/トン前後となっている。国内大豆かす価格は、シカゴ定期が上昇していることに加え、国内の搾油需要が低迷しており、発生量が減少していることから、大幅な値上がりが見込まれる。

▽海上運賃=米国ガルフ・日本間のパナマックス型海上運賃は、8月上旬には45ドル/トン前後で推移していたが、米国の穀物輸送需要が堅調なことで、一時50ドル/トン台まで上昇した。しかし、その後は南米積み穀物輸送需要や中国向けの石炭輸送需要が一段落したことから、現在は45ドル/トン前後で推移している。今後は、引き続き堅調な穀物輸送需要が予想されることから、海上運賃は底堅く推移するものと見込まれる。

▽外国為替=外国為替は、9月には1ドル106円前後で推移していたが、米国の低金利政策が長期化していることや、米国議会でねじれが生じる可能性が高まるなど、米国の政局運営への不安感から円高が進み、現在は104円台で推移している。今後は、新型コロナウイルスのワクチン開発に期待感が高まっているものの、本格的な経済活動の再開には時間を要するとの見方から、相場は現行水準で推移するものと見込まれる。

ホクレン、商系各社も値上げ

JA全農に続き、ホクレン農業協同組合連合会は12月18日に1~3月期の配合飼料価格を全畜種平均でトン当たり約3800円値上げすると発表した。ホクレンの場合は酪農や肉用牛の比率が高いことから、全農より値上げ幅が100円低くなったとみられる。

商系メーカーや専門農協系も1~3月期の配合飼料価格を値上げする。

飼料基金補てんは4月末に決定

配合飼料価格の大幅に値上げを受けて、飼料3基金(全農基金、全日本基金、畜産基金)からの補てんがどうなるか注目されるが、1~3月期の補てん単価は、令和3年4月下旬に開く各基金の理事会で決定する予定。