令和3年度計画 成鶏肉のカンピロ・サルモネラ、鶏肉のアルコバクターなど

有害化学物質・有害微生物のサーベイランス・モニタリング

農林水産省は2月18日に「食品の安全性に関するリスク管理検討会」を開き、有害化学物質と有害微生物のサーベイランス・モニタリング年次計画の令和2年度実施状況と、令和3年度計画案について協議した。

令和2年度の実施状況では、計画したサーベイランス・モニタリングをほぼ実施したが、入札不落により「生産加工会社と連携し、肉用鶏農場の鶏群のカンピロバクター低減に有効な衛生対策について具体的な条件を確立するための調査」などの実施を見送った。また、適切な消費行動を促す情報も発信した。

令和3年度の計画案のうち、本紙関係では、成鶏(採卵期間を終えた採卵鶏)の鶏肉の食中毒低減対策の検討に活用するため、食鳥処理場に搬入された成鶏の盲腸内容物のカンピロバクター保有実態や、鶏群にかかわる情報(月齢や出荷農場の飼養管理)、冷却後と体のカンピロバクター汚染実態、採卵鶏農場の鶏群の月齢などに応じたカンピロバクター排菌量を調査。併せてサルモネラも調査し、月齢に応じた排菌量や鶏群情報との関連性を解析する。

また、カンピロバクターと類似の症状を呈すると報告されているアルコバクターは、食肉のうち鶏肉からの分離頻度が高いと言われていることから、肉用鶏群のアルコバクターについて予備的な調査として実態を把握し、肉用鶏群のカンピロバクター・サルモネラ保有状況と飼養管理情報との関連性を把握する。

さらに、令和2年度に実施を見送った調査内容を変更し、肉用鶏農場における衛生対策を推進するために利用可能なカンピロバクター簡易迅速検査法を検討するための調査を実施する。

このほか、家畜・家きん配合飼料とその原料を対象にカビ毒(オクラトキシンA、T-2トキシン、HT-2トキシン、ジアセトキシスシルペノール、ステリグマトシスチン)、飼料原料と粗飼料を対象にダイオキシン類(コプラナーPBCを含む)の含有実態を把握するためのサーベイランスを実施。

また、飼料中の基準値の順守状況を監視するため、家畜・家きん用配合飼料と飼料用トウモロコシを対象にカビ毒(アフラトキシンB1、デオキシニバレノール、フモニシン〈B1+B2+B3〉、ゼアラレノン)、家畜・家きん用配合飼料などを対象に重金属等(鉛、カドミウム、総水銀、総ヒ素)のモニタリングを実施する。