フィプロニル混入で再び卵リコール オランダのオーガニック農場の卵
ドイツのニーダーザクセン州など6州は、オランダのオーガニック農場で生産され5月17日から6月4日までにドイツに輸出された鶏卵約7万3000個に、殺虫剤のフィプロニルが混入した可能性があるため回収すると発表した。6月12日から英国BBCなど欧州のメディアが報じている。
混入量は、EU基準の1キロ当たり0.005ミリグラムを超え、最大0.019ミリグラムが検出されているが、人の健康には影響しないレベルとのこと。多くはすでに消費されたとみられる。
ドイツの食品安全当局は、混入の原因は現時点では明確ではないものの、鳥インフルエンザ対策で禁止されていた鶏の屋外飼育が春になって解禁されたため、フィプロニルが混入した土壌を介してオーガニック鶏が汚染されたとみている。当局の担当者は「フィプロニルが再び養鶏で使用されたということではない。鶏舎は完全に洗浄されている」と強調している。
BBCによると、オランダの鶏卵生産者団体「OVONED」のエリック・ヒュバース会長は「(この事件で)オランダの卵が再び悪い立場に置かれている」とコメント。欧州では昨夏、オランダやドイツなどの約200農場で生産された卵にフィプロニルが混入したことが発覚し、ヒュバース氏も対応に奔走した。
英国BEICはランダム検査要求
英国鶏卵産業協会(BEIC)は6月12日、新たなフィプロニル混入卵が欧州で見つかったことに「落胆している」とするとともに、英国食品基準局に輸入卵のランダム検査を求めていることを、運営するライオンエッグの情報サイトで発表した。
BEICのアンドリュー・ジョレット議長は「汚染がどこまで広がっているか分からない状況下で、英国の食品産業を守るため、すべての輸入卵とその加工品のランダム検査を食品基準庁に求めている。食品関連企業は自身を守るため、高度な食品安全基準で生産されているライオンエッグとその加工品を使用し、顧客にもライオンマークが表示された鶏卵を選ぶよう推奨すべきだ」と述べている。