イシイが『つたえる蔵』発売へ 専用アプリで鶏舎環境をモニタリング

生産性安定と労務管理、省力化に貢献

鶏舎内の状況がリアルタイムで分かる専用アプリのスマホ画面

『つたえる蔵』の本体

㈱イシイ(竹内正博社長―本社・徳島県石井町)は、養鶏とIoT(Internet of Things=モノのインターネット)を組み合わせた鶏舎環境のモニタリングシステム『つたえる蔵』を9月1日に新発売する。

『つたえる蔵』は、専用のスマートフォンアプリを活用して、①鶏舎の状況をいつでもリアルタイムに確認でき、鶏舎の環境変化を認識できる②警報器としても運用できる③飼育日報で労務管理にも運用できる――システムで、生産性の安定と労務管理、省力化を図ることが主な目的。

3年前から同社の直営農場に導入し、今では約3割で運用している。

鶏舎内に設置した計測センサーによって、舎内温度と湿度、二酸化炭素濃度(オプション)、電源状況、電波強度など、鶏舎の情報がリアルタイムで分かる。各センサーの測定データを5分間隔でグラフに表示することもでき、表示する期間も選択できる(1日表示は1時間間隔、1か月表示では1日の平均値となる)。

GPS機能を内蔵し、地区ごとの当日の天気予報と予想気温が自動的に出る。さらに高温や低温、停電などの異常を知らせる警報は、アプリ通知だけでなく、Eメールによる通知も設定できる。

日報機能では、入雛日や入雛羽数、死鳥報告、体側数値、作業内容(ワクチンなど)、出荷予定日を入力できるため、農場ごとの状況把握や作業の段取りが楽になる。

『つたえる蔵』の導入メリットとしては、①どこからでも、30秒ごとに鶏舎の状況が分かる。隣の鶏舎や夜間、外出先からでも確認できる②鶏舎環境をデータ(数字)を蓄積でき、それらを次に生かすことができる③設置する鶏舎が増えてデータが増えるほど、今後につながる飼育環境の整備も可能になる④現場の作業内容を確認することで、労働環境の見直しができる⑤鶏舎の状況を数値化することで、成績の良い鶏舎と、悪い鶏舎を比較でき、農場管理の指示を数字で指導することで鶏舎環境を改善できる――などを挙げている。

基本仕様は、外部が親機、中継器、外気子機(外気温、外湿度、気圧)。鶏舎内ユニットが鶏舎内計測センサー①(温度、電源異常)、鶏舎内計測センサー②(温度、湿度)、鶏舎警報ユニット。オプションとして、水量カウント入力、エサカウント入力もある。

同社では「ブロイラーの成績は全農家が一律ではなく、ムラがある。成績上位の農場の伸びしろが増えて、成績下位の農場の成績が少しでも上がれば、生産性は安定するため、『つたえる蔵』でお手伝いしたい」としている。なお、ブロイラー鶏舎だけでなく、レイヤー鶏舎でも『つたえる蔵』を利用できるとのこと。

問い合わせは同社ウインドウ部(電088-678-2226、ホームページ=https://ishii1969.com/)へ。