まん延防止へ対策確認 越境性動物疾病防疫対策推進会議
農林水産省消費・安全局動物衛生課は9月30日、都道府県の家畜衛生担当者を招集して「越境性動物疾病防疫対策推進会議」を開いた。
昨年9月9日に岐阜県で26年ぶりに発生した豚コレラは45例に広がり、野生イノシシが感染した県を中心に、豚へのワクチン接種を可能にする検討が進んでいる。さらにアフリカ豚コレラが中国や韓国で、口蹄疫も今年5月に中国で発生している。また、高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)の発生リスクが高まる渡り鳥の飛来シーズンに入るため、最新の情報を共有して畜産関係者への注意と指導を徹底し、全国的な防疫体制を強化して発生予防に万全を期すことを求めたもの。
冒頭あいさつした江藤拓農林水産大臣は、宮崎県での口蹄疫やHPAI発生の教訓などに触れ、「豚コレラについては、ワクチン接種することで検討が進んでいるが、ワクチンを接種したから安全だということは決してない。畜産現場を担当している皆さんには、畜産生産者の飼養衛生管理基準の順守の徹底など、地域のために嫌われ者になる覚悟で指導をお願いしたい」などと強調した。
会議では、①海外における越境性動物疾病の発生状況②第2回OIE/FAOアジア地域アフリカ豚コレラ専門家会合などの概要③HPAI等の防疫対策の強化④危機対応について⑤豚コレラ国内分離株の病原性および国内備蓄ワクチンの有効性について――などが報告された。
AI等の防疫対策の強化では、発生予防対策(①飼養衛生管理基準の順守状況の確認・指導②人や車両、野鳥を含む野生動物を介したウイルスの農場内および家きん舎内への侵入防止)とまん延防止対策(①早期発見・早期通報②的確な初動対応の徹底および連携体制の確認③必要な人員および防疫資材等の確保④埋却地等の確保⑤防疫指針に基づく農場立ち入り検査時の簡易検査の羽数・採材方法)、野鳥のサーベイランス検査の協力――などを要請した。