ささえあセミナー〝IBDと生ワクチンによるコントロール〟テーマに
〝京都微研〟トランスミューンIBD発売記念
ささえあ製薬㈱(本社・東京都品川区)は2月16日、〝伝染性ファブリキウス嚢病(IBD)と生ワクチンによるコントロール〟をテーマにオンライン形式で「ささえあセミナー【〝京都微研〟トランスミューンIBD発売記念】」(協賛=㈱微生物化学研究所、セバ・ジャパン㈱)を開いた。
冒頭、ささえあ製薬の谷口茂社長は「新たに発売予定の『〝京都微研〟トランスミューンIBD』は世界75か国で使用されており、発売以来、1100億ドーズの使用実績がある。また、孵化場での接種が可能な移行抗体耐性型の生ワクチンである。このワクチンによって、農場でのIBDウイルス感染による生産性の問題や、従来の飲水投与型IBD生ワクチンの手間の問題などを解決できたらと思っている」などとあいさつした。
セバ・アニマルヘルス社アジアゾーン・ディレクターのアントニン・ボノー氏は「セバ社は世界で5番目に大きいアニマルヘルスカンパニーで、この10年で最も急成長した会社の1つである。鶏用ワクチンでは世界2番目のシェアを持ち、所有するワクチンは多岐にわたる。最大のシェアを持っている『トランスミューン』は卵内接種と初生ひな用のワクチンだが、海外ではフルレンジでサービスと接種器を持っている。ワクチンを最適に接種するために、セバ社では孵化場へのサービス『チックプログラム』をグローバルで展開している。『トランスミューン』はIBDウイルスの感染サイクルを止め、孵化場での均一な防御と利便性を実現し、生産性に貢献する」などと述べた。
セミナーで講演した鳥取大学の山口剛士教授は、伝染性ファブリキウス嚢病(IBD)について、①IBDの予防は一般衛生管理とワクチン接種が基本②IBDウイルスに対する消毒はヨウ素系、塩素系、ホルマリンなどが有効③ワクチンによる予防は、種鶏の免疫による均一な移行抗体賦与と、雛への適切な接種が極めて有効④生ワクチンが環境に残留し、鶏群内で感染が続いた場合、一部病原性が変化する可能性があり、適正なワクチン接種と、アウト後の洗浄・消毒が重要――などと説明した。
セバ・アニマルヘルス社ベテリナリーサービス・ディレクターのマルセロ・パニアーゴ氏は「『〝京都微研〟トランスミューンIBD』は、ウィンターフィールド(Winterfield)2512株をワクチン株に使用したIBD生ワクチンで、発育鶏卵内または初生ひなの頸部皮下内に接種することで、農場内でのIBD感染を予防し、IBD野外ウイルスの排せつ抑制、継続使用によりIBD野外ウイルスの農場への定着抑制、変異株の出現防止などの効果が期待できる」と述べ、ワクチンの作用機序や利便性、野外試験データなどを紹介。
主な特徴として、①既知のIBD野外ウイルスの攻撃から守る②接種日の特定が不要で、IBD移行抗体存在下でも効果がある③発育鶏卵と初生ひなに対する安全性が確認されている④孵化場で初生ひなへの接種と自動卵内接種機による接種が可能で、大規模羽数に対応できる。農場での再接種が不要になる――を挙げ、「IBDワクチンの中で『トランスミューン』は世界で最も接種され、これまで1100億ドーズを販売してきた。アジアでは560か所の孵化場で採用され、2020年は50億羽のブロイラーに接種された。アジア12か国で174社のリーディングカンパニーに『トランスミューン』が選ばれている。日本が13か国目になり、多くのお客様に評価されてこれら記録が更新されることを確信している。また、『トランスミューン』を最も効果的に扱う方法を熟知した180人の養鶏獣医師や、175人の『チックプログラム』専門家がグローバルでサポートしている」と強調した。
閉会あいさつで微生物化学研究所の猪狩康孝社長は「『〝京都微研〟トランスミューンIBD』は、世界のIBD生ワクチンの中でトップシェアに位置付けられており、自信を持って皆様にお届けする。孵化場でのワクチン接種・投与による省力化を可能とした、安全・安心な生ワクチンをお試しいただきたい」などと述べた。
最後に総合司会者から現在、早期の発売に向けて準備を進めているとの情報提供があった。