『いいたまごの日』でイベント 日鶏協と日卵協

(一社)日本養鶏協会(齋藤利明会長)と(一社)日本卵業協会(馬場昭人会長)は11月2日、東京都中央区銀座の東京ガススタジオ・プラスジーギンザで、恒例の『いいたまごの日』のイベントを共催した。

11月5日の『いいたまごの日』は、日鶏協が2010年に制定。近年は日卵協とコラボしてイベントを催し、同記念日の知名度向上と、鶏卵の消費促進を図っている。今年も、午前の第一部は日卵協の青年部組織「ヤングミーティング」(松本邦義代表幹事・日卵協副会長)が中心となって『第4回たまごニコニコ料理甲子園』の決勝大会を開催。午後の第二部は日鶏協の企画で一般消費者を招待し、料理研究家の牧野直子さん(㈲スタジオ食〈くう〉代表)がスパニッシュオムレツの作り方などをレクチャーする『おもてなしにもピッタリな簡単たまご料理レッスン』を実施した。

第4回たまごニコニコ料理甲子園 奈良県立磯城野高校のチームが優勝

2連覇を達成したチーム「わかまゆ」の2人

『第4回たまごニコニコ料理甲子園』には、全国の高校や専門学校などの生徒が、卵を使った創作料理約600作品を応募。6エリアの予選を勝ち抜いた6チームが、練習を重ねた作品を一生懸命に調理した。

イベントの開催に当たり、あいさつした齋藤会長は、世界トップクラスの日本の鶏卵消費量や、今年は国際的な養鶏の大会(IEC京都大会)も日本で初開催され、「たまごニコニコ運動」などが表彰されたことを紹介したほか、「今年の甲子園(全国高校野球選手権大会)では、秋田県の金足農業高校が準優勝という素晴らしい成果を挙げた。私も農業高校を卒業しているため本当にうれしかった。本日は皆さんの作品を楽しみにしている」と語り、出場選手を激励した。

優勝作品のバンズは、卵やはんぺんをふわふわになるまでミキサーにかけたもの。パティは鶏ひき肉で、たんぱく質たっぷり

松本代表幹事は開催趣旨について「卵の手軽さや栄養価の高さ、そして素晴らしさを多くの方々に伝えるため考えられた事業であり、皆さんにも〝たまごの素晴らしさ〟の伝道師になっていただけるものと期待している」と説明。「ぜひ、それぞれの力をいかんなく発揮され、グランプリを目指して頑張ってほしい」と述べた。

野田裕一朗実行委員長(日卵協理事)が「プレイボール!」とスタートを宣言し、各チームは一斉に調理を開始。出場作品は、「卵を1人前に2個以上」使用し、「家庭にある調理器具」で「下準備も入れて1時間以内にできること」などが条件。〝たまごタレント〟の友加里さんが調理のもようを実況する中、いずれのチームも制限をクリアし、作品を完成させた。

日卵協の馬場会長、日鶏協の齋藤会長、料理研究家の牧野直子さん(管理栄養士)、東京家政大学の峯木眞知子教授(農学博士、管理栄養士)、東京ガス㈱「食」情報センターの谷圭一郎所長が審査員を務め、所定の評価項目に従って厳正に審査した結果、今年のグランプリは、『幸せの黄色いたまふわバーガー』を披露した前年の覇者、近畿エリア代表の奈良県立磯城野(しきの)高校のチーム「わかまゆ」(代表=所和花さん)となり、大会初めての2連覇を達成。賞状と賞金10万円(目録)、「たまご1年分(たまごギフト券で1日2個×365日=730個分相当)」などの副賞が授与された。

連覇の感想を聞かれた2人は「優勝するとは思ってなかったのでビックリ」「練習通りにうまくいってよかった」と笑顔に。賞を授与した馬場会長は「審査員の先生方のお話を聞きながら、本当に卵というのは〝火加減〟をどう処理するかがいかに大事かが、よく分かった。火加減一つが、卵料理の味、食感を上げる。その意味で〝火を通しすぎない〟ということを考えると、やはり日本の安全な卵が(料理には)必要なのだと感じた。本当に連覇おめでとう」と栄誉を称えた。

準グランプリは、『夏バテ予防に!卵冷やし茶漬け』を創作した関東エリア代表の神奈川県立相原高校の中島あゆ美さんが受賞。賞状と賞金5万円(目録)、「たまご半年分(たまごギフト券365個分相当)」が授与された。

北海道・東北エリア代表の青森県立柏木農業高校のチーム「柏農さくら組」(代表=滝本桜さん、作品名『とろっと卵のバウムサンド』)は彩(いろどり)賞、中国・四国エリア代表の宇部フロンティア大学付属香川高校の濱田奏さん(『ふわとろ卵のつゆと味わう瓦そば』)は栄養満点賞、九州・沖縄エリア代表の福岡県立久留米筑水高校の吉開夕夏さん(『つるりんとろ~り かに玉あんかけ』)は美味(デリシャス)賞、東海・北陸エリア代表の福井県立福井農林高校のチーム「農林娘18(エイティーン)」(代表=丹尾心さん、『シャクシュカ風恐竜ドリア』)はアイデア賞に選ばれた。

審査講評を述べた牧野さんは、各作品の調理のポイントを解説し、「順位は本当に僅差で、ここに残っていること自体が素晴らしいため、出場されたことにどうか胸を張ってほしい」と各選手の健闘を称えた。

授賞式を終えて馬場会長は「一つのことに一生懸命集中する、そのこと自体が非常に尊いことだと思っている。本大会を通じて、卵を理解していただくとともに、チームワークや先生との関係などを人生の糧にしてほしい」と述べ、野田委員長の「ゲームセット!」のかけ声で、料理甲子園を終了した。

女子力を上げる!卵の栄養も紹介 スパニッシュオムレツに挑戦

〝オムレツがえし〟が成功すると、みんな笑顔に

日本養鶏協会主催の『おもてなしにもピッタリな簡単たまご料理レッスン』には、17人の女性が参加。友加里さんの司会進行のもと、料理研究家の牧野直子さんが、栄養たっぷりの「ビーンズスパニッシュオムレツ」と、付け合わせの「秋野菜のグリル」の調理を実演し、東京ガス㈱「食」情報センターの石川由花さんが解説の聞き手を務めながら、ガスレンジとグリルの使い方のコツなども紹介した。

エプロンをした参加者は、教わったレシピでスパニッシュオムレツの調理に挑戦。牧野さんらが見回る中、各参加者がフライパンのふたを使ってオムレツを反転させる〝オムレツがえし〟を成功させるたびに、拍手や歓声が上がった。

牧野先生による「ビーンズスパニッシュオムレツ」と「秋野菜のグリル」

調理終了後には、「卵が大好きで、子供の頃から毎日1~2個は食べている」という牧野さんが『女子力を上げる!たまごの栄養』と題して、栄養価の高さや、カロリーの低さ、消化・吸収に優れている点など、多岐にわたる卵の魅力を解説。卵を毎日2個食べるだけで、1日に必要なたんぱく質の約26%(=可食部50グラムとして体重50キロ程度の場合)が摂取できるほか、肌荒れや口内炎の予防に良い「ビタミンB2」の約38%、「ビタミンB12」の約42%、かぜの予防や潤いのある肌づくりに役立つ「ビタミンA」の約26%、「鉄分」の約18%、〝妊活〟に大切な「葉酸」の約19%、味覚を正常に保ち傷の治りを早める「亜鉛」の約20%が摂れると説明。

コレステロールについても、血中の量は体内で調整されることや、脳などの細胞やホルモンの材料でもあり、悪者にみられがちだが実は大切な栄養素であることを解説し、「卵には本当に様々な料理があるため、これからも興味を持って作っていってほしい。今日のレシピも持ち帰って、ご家族や友人に、卵の良さを伝えていただければ」と述べた。

日鶏協の彦坂誠理事(国産鶏卵に関する普及啓発問題検討委員会委員長)が、イベントの参加者に謝意を表したうえで、「牧野先生のご指導で、新しいレシピが増えたかと思う。ぜひ忘れないうちに何回か作っていただき、大事な方にも振る舞ってほしい。卵はこれまで〝1日1個まで〟と言われていたが、近年は、1日2個以上食べても、血中コレステロール値が上がるといった悪い影響はないということが常識になっている。皆さんも、ぜひ卵を食べて女子力を上げたり、今以上に健康で楽しい生活が送れたりするように願うとともに、その手助けとして卵が皆さんに寄り添うことができれば幸いと思っている」とあいさつして閉会した。