全農、トン約1000円値下げ 7~9月期配合飼料価格
トウモロコシと大豆かすが値下がり
JA全農は6月19日、令和2年7~9月期の配合飼料価格について、飼料原料や為替の情勢を踏まえて、全国全畜種総平均でトン当たり約1000円の値下げを発表した。ホクレンは約800円の値下げ。25日には中部飼料と日清丸紅飼料、29日にはフィード・ワンも値下げを発表した。
今回の配合飼料価格の値下げの要因は、トウモロコシと大豆かす価格の値下がりなど。改定額は地域別・畜種別・銘柄別に異なる。
全農が発表した飼料情勢は次の通り。
▽飼料穀物=トウモロコシのシカゴ定期は、3月には370セント/ブッシェル前後で推移していたが、新型コロナウイルス感染拡大によるガソリン需要の減少からエタノール生産が減少していることに加え、米国産新穀トウモロコシの作付面積が増加する見通しであることから下落し、現在は330セント/ブッシェル前後となっている。今後は、夏場の受粉期に向けて天候を注視する必要があるものの、当面は現行水準で推移するものと見込まれる。
▽大豆かす=大豆かすのシカゴ定期は、3月には330ドル/トン前後で推移していたが、アルゼンチンが大豆かすの輸出税引き上げを発表し、一時350ドル/トン前後まで上昇した。その後、新型コロナウイルスの感染拡大による大豆需要の減退懸念などから軟調な展開となり、現在は310ドル/トン台となっている。国内大豆かす価格は、為替は円安で推移しているものの、シカゴ定期の下落などにより、値下がりが見込まれる。
▽海上運賃=米国ガルフ・日本間のパナマックス型海上運賃は、2月には40ドル/トン台で推移していたが、南米産大豆の輸出需要の増加により、3月には45ドル/トン前後まで上昇した。その後、新型コロナウイルスの感染拡大による輸送需要の減少と原油相場の急落を受けて下落し、現在は35ドル/トン前後となっている。今後は、南米産穀物の輸送需要が本格化することから、海上運賃は堅調に推移すると見込まれる。
▽外国為替=外国為替は、3月には新型コロナウイルスの感染拡大による景気悪化により、世界的に株価が暴落したことなどから一時急激な円高となったが、その後、安全通貨としてのドル需要が増加したことなどから円安が進み、現在は1ドル108円前後となっている。各国の経済対策により景気回復への期待が高まる一方で、新型コロナウイルスからの回復には時間がかかると思われるため、今後も一進一退の相場展開が見込まれる。