レイヤー増加、ブロイラー減少 令和2年の種鶏導入計画
(一社)日本種鶏孵卵協会(山本満祥会長)は2月20日、レイヤーとブロイラーの種鶏導入と素ひな計画生産検討会を開いた。調査から推計した全国の種鶏導入羽数は、レイヤー種鶏は令和2年が前年比5.2%増、令和2年度が前年度比0.3%減。ブロイラー種鶏は令和2年が前年比1.8%減、令和2年度が前年度比0.1%減。コマーシャルひなのえ付け羽数を前年並みと仮定した場合のひな需給は、レイヤーでは供給余力があるが、ブロイラーでは不足が見込まれる。
レイヤーひなの供給に余力
全国のレイヤー孵卵場23場から集計した令和2年(1~12月)の種鶏導入計画羽数は114万8590羽で、前年実績(109万1880羽)に比べ5.2%増。令和2年度(令和2年4月~令和3年3月)は109万1350羽で、前年度(109万4420羽)に比べ0.3%減少する計画。
地域別では、東日本(北海道から関東甲信越まで)は年次ベースが68万3100羽で7.1%増、年度ベースが63万9700羽で4.9%減。中部は年次ベースが29万4650羽で4.9%増、年度ベースが30万3650羽で22.7%増。中四国・九州は年次ベースが17万840羽で1.4%減、年度ベースが14万8000羽で15.2%減。
導入調査のカバー率などを基に推計した全国の種鶏導入羽数は、年次ベースが124万7000羽で前年(118万5000羽)に比べ5.2%増、年度ベースが118万4000羽で前年度(118万8000羽)に比べ0.3%減が見込まれる。
卵殻色別の種鶏導入計画は、白色卵は年次ベースで10.9%増、年度ベースで8.1%増。褐色卵は年次ベースで1.8%増、年度ベースで14.0%減。ピンク卵は年次ベースで24.3%減、年度ベースで11.3%減の見込み。種鶏の全体の構成割合は、年次ベースで白色卵64.9%、褐色卵29.0%、ピンク卵6.1%。年度ベースで白色卵66.2%、褐色卵27.6%、ピンク卵6.2%となっている。
種鶏の供用期間308日(44週、25~68週齢)、種卵の平均採取率を白93.0%、赤92.4%、ピンク94.3%、種鶏1羽当たりひな生産羽数を白100.9羽、赤91.2羽、ピンク104.6羽などとして試算した素ひな生産能力は、年次ベースが1億1491万2000羽で前年比0.3%増、年度ベースが1億1497万7000羽で前年度比0.1%減の見込み。
令和2年のコマーシャルひなのえ付け羽数を前年並みの1億806万7000羽と仮定すると、ひな需給は年次ベースで684万5000羽、年度ベースで691万羽の供給余力が見込まれる。
ブロイラーひなは不足気味
全国のブロイラー孵卵場49場から集計した令和2年(1~12月)の種鶏導入計画羽数は475万3174羽で、前年実績(484万2354羽)に比べ1.8%減、令和2年度(令和2年4月~令和3年3月)は481万2459羽で、前年度実績(484万995羽)に比べ0.6%減少する計画。
地域別では、東日本(北海道から関西まで)は年次ベースが170万8650羽で0.7%減、年度ベースが176万5850羽で3.9%増。中四国は年次ベースが66万4150羽で4.0%増、年度ベースが63万4850羽で1.9%減。九州は年次ベースが238万374羽で4.2%減、年度ベースが241万1759羽で3.3%減の見込みとなっている。
導入調査のカバー率などを基に推計した全国の種鶏導入羽数は、年次ベースが488万8000羽で前年(498万羽)に比べ1.8%減、年度ベースが494万2000羽で前年度(494万9000羽)に比べ0.1%減の見込みとなっている。
羽色別の種鶏導入計画(年次ベース)は、白色羽系は1.6%減、有色羽系は9.5%減、地鶏系は9.8%減の見込み。種鶏の全体の構成割合(年次ベース)は、白色羽系97.6%、有色羽系1.7%、地鶏系0.7%で、白色羽系が大半を占める。
種卵採取開始180日齢(6か月齢)、採取期間270日(27~64週齢)、種鶏1羽当たりひな生産146.2羽を基に試算したブロイラーひなの生産能力は、年次ベースが7億2208万羽で前年比1.0%減、年度ベースが7億1976万7000羽で前年度比0.8%減となる。
令和2年のコマーシャルひなのえ付け羽数を前年並みの7億5437万9000羽と仮定すると、年次ベースでは3229万9000羽、年度ベースでは3461万2000羽の不足が見込まれる。
(編集部注…種鶏1羽当たりのひな生産は、平成29年にそれまでの141.7羽から146.2羽に改められたが、白色羽系の主力鶏種の産卵率やヘンハウスひな羽数の能力がこれまで通りを維持すれば、ひな需給に大きな問題は起きないことが予想される)