籠谷グループ「たまごの郷」JGAP認証取得 「手探りから自分たちで構築、自信に」

今後はJGAP取得コンサルティングにも注力

認証書を持つ農場責任者の小島政德さん㊨と、籠谷の水落康志課長

㈱籠谷(栗原直樹社長―本社・兵庫県高砂市)グループの㈲たまごの郷(丹波市氷上町三原151)は「JGAP農場用管理点(家畜・畜産物)」認証を3月22日付で取得した。認証工程は「採卵鶏 飼養」と「畜産物取り扱い」。審査認証機関はエス・エム・シー㈱。同機関と(公社)中央畜産会による同日までのJGAP認証採卵鶏農場数は合計24農場となった。

籠谷は、早くから第三者認証による衛生管理に注力し、2002年には「ISO9001」認証を飼料販売と電気設備の施工管理などの分野で取得。06年には兵庫県版HACCPを鶏卵分野で初めて取得し、15年には食品安全マネジメントシステムの国際規格で最も厳格とされる「FSSC22000」認証を本社工場と浜風工場で取得した。

たまごの郷は、農場責任者の小島政德氏のもと、自然豊かな環境でボリスブラウン約6万羽を飼育し、こだわりの飼料を使ったブランド卵『奥丹波の卵』などを生産。県版HACCPでは卵の原料産地農場の第1号に登録され、JGAP認証は昨年6月から取得準備を進め、今年2月に審査を受けた。

JGAP認証には、農場HACCP認証を既に取得していると、審査を免除される項目があるが、たまごの郷は県版HACCP認証があっても農場HACCPは未取得のため、ほぼ最初からのJGAP構築になったとのこと。まず取り掛かるところから苦労があり、JGAP取得の指導員を務めた籠谷エッグライフ事業部ファームメイトチームの水落康志課長は「全くの手探りで、講習は受けたがコンサルタントなどが見つからなかった」という。ただ「県畜産協会や家保の支援も受けつつ、既にFSSC認証を取得している本社工場などの実施内容を参考に農場管理を自分たちでJGAPの要求事項に当てはめていき、書類関係はJGAPを推進している県の指導員に見てもらいながら準備したところ、問題なく認証を取得できた」とのこと。

認証取得については「JGAPの管理点に対して、具体化した取り組みを実践することで、農場作業の目的や必要性を再確認する良い機会となった。特に労働安全や、周辺環境への意識向上と取り組みは、農場運営の基盤をさらに固めることにつながった」と評価。

このほか、もう一つの自社関連農場でも、今年度中のJGAP取得を目標にしているほか、他社農場からのJGAP取得の相談や、コンサルティングの要望にも応じられる体制ができたとのこと。水落氏は「地域に貢献できる企業と農場であり続けるとともに、少しでも多くの人に各農場の取り組みや、商品を知ってもらえるよう活動していきたい」と話している。