ブロイラーの出荷羽数計画 27年度は1.5%増の見通し 日本食鳥協会主要産地協議会
(一社)日本食鳥協会は7月2日、岩手県盛岡市で主要産地協議会(鹿児島、宮崎、岩手の各県とその周辺県)を開き、平成27年度のブロイラー出荷羽数は前年度に比べ1.5%増加するとの見通しをまとめた。今年3月時点の1.4%増とほぼ同じ予想となっている。
岩手県盛岡市のホテル森の風鶯宿で開催された平成27年度第1回主要産地協議会では、主要産地の26年度生産実績と27年度生産実績・見通しが報告された。
それによると、主要3県(鹿児島、宮崎、岩手)とその周辺県の27年度出荷実績と見通しは前年度比1.5%増の4億6901万3000羽。今年3月6日の同協議会で示された4億6907万7000羽より6万4000羽少ないが、26年度実績も下方修正されたため、前年度比では0.1ポイント高くなったもので、3月時とほぼ同じといえる。全国推計も約6億7000万羽の見込み。
県別では、鹿児島県が上期(4月~9月)2.3%増、下期(27年10月~28年3月)5.7%増、年度計2.6%増。宮崎県が上期1.3%増、下期0.1%減、年度計0.6%増。岩手県が上期1.3%増、下期1.8%増、年度計1.6%増となっている。
会議では、人手不足による外国人実習生の枠拡大や滞在期間の延長を求める声が出されたほか、給料をある程度出せば地元の高卒男子が就職してくれるとの報告もあった。
最近の生産状況については、鹿児島、宮崎は入梅し雨が降り続いているが、ブロイラーの肥育には適した温度で、増体も良いとのこと。販売状況について、在庫は各社ともあまり持っていないとした。
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鶏肉相場は、牛、豚肉相場の高値推移などから、今年も堅調に推移し、1~6月累計は、もも正肉640円(前年同期比3円安)、むね正肉334円(同58円高)となったが、国内の増産には結びついていない。産地からは「現在の農場設備の中で、出荷日齢の短縮や坪羽数の増加などでの対応は限界に達しつつある」としている。
農場の新設や改築についても、用地確保の難しさや建築資材を含むコスト上昇、生産者の高齢化、人手不足などで思うように進まず、国の補助事業である“畜産クラスター事業”も、インテを中心とするブロイラーでの取り組みにはハードルが高いようで、今後、インテ中心でも取り組める制度設計にしていく必要があるようだ。