加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会を設置 今秋メドに中間的とりまとめ

消費者庁と農林水産省は1月29日、東京都中央区のTKP東京駅日本橋カンファレンスセンターで「加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会」の初会合を開いた。
同検討会は、TPPの大筋合意を受けて政府が昨年11月に策定した「総合的なTPP関連政策大綱」で、食の安全・安心に関する施策として「原料原産地表示について、実行可能性を確保しつつ、拡大に向けた検討を行なう」とされたことから、消費者庁と農林水産省が設置したもので、①現行の加工食品の原料原産地表示制度や取り組みの検証②加工食品の原料原産地表示の拡大に向けた具体的な方策――などについて検討し、今年秋をメドに中間的なとりまとめを行なう。
初会合であいさつした松本文明内閣府副大臣は「加工食品の原料原産地表示は、これまでの長い議論を踏まえて現行の制度となっており、消費者の関心も非常に高い。消費者の自主的かつ合理的な食品の選択機会を確保するために拡大することが望ましいと考えているが、具体的にどこまで、どのように広げるかについて委員の皆さんに十分議論してほしい」とし、齋藤健農林水産副大臣は「生産者が丹精込めて作った農林水産物が、加工食品になると外国産と区別されずに販売されている実態を改善して、より一層やりがいを感じられるようにすることも大切な視点である」などと述べた。
検討会では、委員17人の中から森光康次郎お茶の水女子大学大学院教授を座長に選任し、事務局から加工食品の原料原産地表示制度をめぐる事情や、事業者の自主的な取り組みについて報告した。今後、消費者庁は一般消費者を対象に加工食品の原料原産地表示に対する認知度や購買意欲への影響、農林水産省は製造業者を対象に①主な原材料の産地や産地ごとの使用割合、季節による違い②主な原材料の切り替え、混合の頻度の状況③主な原材料の状態(生鮮、中間加工)④企業の自主的な取り組み――などを調査する。
生産・消費者側の委員からは「TPPにより、加工食品の原料として生鮮食品や中間加工品の輸入が増える可能性がある。消費者に正確な情報を伝える観点からも原料原産地表示の拡大は必要だ。今回対象ではない外食や総菜での表示拡大も課題である」(JA全中・金井健常務理事)、「畜産加工品の原料は輸入品が多い。原料原産地の情報は、消費者にとって重要だと考えているし、生産者にとっても消費者の手に届くところまで的確に伝えることが重要である」(中央畜産会・近藤康二常務)、「消費者団体としては消費者の8つの権利を広く実現することが重要だと考えており、とりわけ今回は知らされる権利や選択できる権利、食品の安全が大きく前進することを期待している」(全国消費者団体連絡会・岩岡宏保共同代表)など、表示の拡大を訴える意見が出された。
一方、流通・製造業者側の委員からは「主原料が変わった時にラベルにどのように具体的に書くのか。文字数が多いと書けないという問題もある」(日本チェーンストア協会・櫟友彦食品委員会委員)、「この問題は、ややもするとコストアップにつながると思う。大企業だけでなく、中小企業も含めた食品産業全体がきちんと表示できる制度でないと、本当の意味で消費者の選択に資する形にはならない」(味の素・富松徹品質保証部品質保証推進グループ長)など、拡大に慎重な意見が出された。
【消費者庁と農水省が合同で設置した加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会の初会合】

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