鶏卵相場、10月は220円台で保合い ようやくコスト見合いに

コスト割れ相場(M加重)が長く続いた鶏卵は、9月末に東京、福岡で220円、大阪、名古屋で225円まで上昇し、10月に入っても保合いを続けている。今後についても、需給は引き締まり気味で推移するため、11月の中だるみは避けられるのではないか、との期待感も出ている。

鶏卵相場(M加重)は、成鶏更新・空舎延長事業の実施による稼働羽数の減少や、猛暑による鶏の熱死、産卵率、卵重の低下から鶏卵の出回り量が減少した反面、需要面では、学校給食の再開、大手外食の定番月見メニュー、連休に向けた特売、加工筋の手当てなどから、9月末になってようやくコスト見合いの220円台に回復した。
ただ、配合飼料価格は今年10月に値下がりしたが、飼料基金からの補てんの減額などで平成20年の高騰時を上回り、全畜種総平均はトン約6万5900円で過去最高値。今年のひなえ付け羽数も、8月まではコスト割れ相場が続いたため、約2%減少している。
前年同期より約8%多い約500万羽が参加した成鶏更新・空舎延長事業も、徐々にひなが再導入されて出回り量は増えつつあるが、加工筋の原料卵手当てが続いているため、全体の需給はとれている。
相場は8月に比べキロ約50円上昇したが、10個パックの末端小売価格は農水省調査で約15円高の201円にとどまっている。スーパーの特売要請から、流通段階は相場上昇分を転嫁できていないほか、厚焼き卵などの加工品も値上げできず苦慮しているようだ。

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