自民党「国産食鳥産業議員連盟」が発足

自民党の国会議員有志は8月7日、東京都千代田区の自民党本部で「国産食鳥産業議員連盟」の設立総会を開き、会長に大島理森氏(衆・青森3区、前党副総裁、党東日本大震災復興加速化本部長)、副会長に宮路和明氏(衆・九州比例、元厚生労働副大臣)と鈴木俊一氏(衆・岩手2区、外務副大臣)、幹事長に森山裕氏(衆・鹿児島5区、衆院農林水産委員長)を選出した。
大島会長は「飼料価格の高騰や、TPPだけでなく国際競争にどのように対応していくかを考えると、政策的にしっかりしたものが必要になってきていると食鳥業界から強く要請されている。食鳥業界の皆さんは今日まで自力で頑張ってこられたが、食肉産業全体が地域経済で果たしている大きな役割に、私たちは着目しなければならない。この議連を食鳥産業のあるべき姿を模索する勉強会として位置付け、真摯に勉強していきたい」とあいさつした。
設立総会には(一社)日本食鳥協会(芳賀仁会長)や国産食鳥推進委委員会(委員長=阿部荘介(株)阿部繁孝商店相談役)のメンバーらも出席し、芳賀会長は「わが国の食鳥産業の生産基盤は想像以上に弱体化しており、その中で最も影響が大きいと考えられるのが、鶏肉と加熱調製品の輸入増加により需給が失調し、価格が下落したことである」と述べ、(1)鶏肉の実質的な国内自給率は50%割れ寸前に追い込まれている(2)海外で加工される加熱調製品は、日本のGDPには寄与しておらず、食鳥産業だけでなく、国内の食品産業の空洞化を加速化させている(3)食鳥産業は裾野が広く、主に地方都市で約12万人の雇用を確保している――ことなどを説明。
そのうえで「食鳥産業を日本に残すのであれば、ここで政策的な手を打つ必要がある」と強調し、(1)国産鶏肉の生産基盤強化を支援するための食鳥検査手数料相当分の助成(2)国産鶏肉の安全・安心や栄養面についての消費者への普及啓蒙、加工品への利用拡大や新規需要の掘り起こしなどを推進するための支援(3)鶏肉の原産国表示について外食と加工部門への適用範囲拡大――を緊急要請した。
また、TPP参加交渉での鶏肉の現行関税率の確保や、畜産物価格安定法に基づく指定食肉への鶏肉の追加、肉用鶏生産者経営安定制度の創設、配合飼料価格安定制度の充実・強化を求めた。国産食鳥推進委委員会のメンバーも国による支援や規制緩和などを訴えた。
会長、副会長、幹事長以外の同議連のメンバーは次の各氏。
江藤拓(衆・宮崎2区、農林水産副大臣)、古川禎久(衆・宮崎3区、党国対副委員長)、小里泰弘(衆・鹿児島4区、党農林部会長)、野村哲郎(参・鹿児島選挙区、参院農林水産委員長)、山田俊男(参・全国比例、党農林部会長代理)、葉梨康弘(衆・茨城3区、党農林水産関係団体委員長)、福山守(衆・徳島1区)
【国産食鳥産業議員連盟の設立総会であいさつする大島理森会長】

コメントを残す