食鳥相場、ようやく730円台に 上昇力「弱い」との見方が大勢

鶏肉相場は10月16日、もも肉528円、むね肉205円、合計で今年6月以来の730円台をつけ、20日現在も同水準を維持している。
気候がようやく秋らしくなり、行楽需要などでスーパーの鶏肉売り場で、もも肉の売れ行きが良くなってきたほか、一部の量販店や業務・加工筋が、価格が下落していた国産もも肉の取り扱いを増やしたことも相場上昇の理由とみられる。大手量販店のバイヤーは「ブラジル産は解凍の手間がかかり、ドリップも出る。仕入価格も上昇してきたためメリットが少なくなってきた一方、国内産地との共生も考え、国産の購入割合が高まっている」としている。
業務・加工向けが主体のむね肉相場も、今年1月以来の200円台をつけている。大手食肉メーカーの中には「在庫が減少しているため、さらなる一段高もあり得る」との見方も。
生産は、今年の後半に入って伸び率は鈍化傾向を示し、(一社)日本食鳥協会の推定ブロイラー処理羽数は、10月は前年比2.3%増だが、11月は0.4%減の見込み。
農畜産業振興機構(ALIC)推定の8月末の国産鶏肉在庫は4万1200トンで、過去5年間の平均より3割以上多い。現在はやや減少しているとみられるが、「産地などが処分した在庫が、川下に移っただけ」と、全体の在庫は減っていないとの指摘もある。
輸入鶏肉の在庫は11万9498トンで、過去5年間の平均より約1割多い。ブラジル産鶏肉の1~8月の月間平均輸入量は、前年比6%減の約3万3000トン。出回り量は毎月3万5000トン前後。末端の卸価格は、10月中旬は200円台後半に上昇し、年末に向けてはエサ高などでさらに上昇基調にある。今後の輸入量について日本食肉輸出入協会は「基調としては前年を下回って推移する」と見込んでいるが、在庫水準はまだ高いまま。タイ・中国製の鶏肉調製品の輸入量も増加が続いている。
このため、荷受関係者の間では年末相場について弱気な見方が大勢を占め、もも肉は600円を超えない水準、むね肉も200円水準のもち合いが続くとの予想が多い。商社関係者も「生産も在庫も潤沢なため、急に上昇する要素はない」と指摘しているが、国内のインテ関係者は今後、本格的な鍋物需要などが入り、右肩上がりに上昇することを期待している。

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