改正家伝法の取り組み状況を報告 施行規則見直しを了承

農林水産省は1月23日、消費・安全局会議室で、食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会の牛豚等疾病小委員会と家きん疾病小委員会の合同会議を開き、昨年改正され、10月から施行されている家畜伝染病予防法(家伝法)の取り組み状況を報告するとともに、同法施行規則第43条の表の見直しと、それに伴う家きん肉の加熱処理基準の設定について意見を聞いた。
昨年10月から施行された改正家伝法の取り組み状況については、家きん飼養農場における飼養衛生管理基準の順守状況を各都道府県を通じて調査した結果、12月9日現在で全9288農場のうち、チェック項目に基づく適切な飼養衛生管理が行なわれている農場は7465農場(全体の80.4%)、不備がある農場は1823農場(19.6%)であったことが農水省から報告され、主な不備事項である(1)入場車両・物品の消毒(2)農場内専用の衣服等への更衣(3)家きん舎内の消毒(4)防鳥ネット・金網(5)ねずみの駆除――などは引き続き改善指導しているとし、各県の飼養衛生管理基準の周知に関する取り組み状況も報告した。
10月以降の改正家伝法に基づく口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザの疑い通報は、口蹄疫が7件、高病原性鳥インフルエンザが1件で、農水省は「検査で確認されなかったが、通報の要件に基づき通報は機能しており、今後も早期発見につなげていきたい」とし、動物検疫所での水際検疫の状況が報告された。委員からは、「通報の原因となった病名は何だったかを確定するようにしてほしい」「費用対効果を考えると、水際の検疫の強化だけで口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザを防げない。農家対策もしっかり実施しなければならない」などの意見が出された。
家伝法施行規則第43条の表の見直しは、これまでは、牛疫、口蹄疫、アフリカ豚コレラについて、国内への侵入を未然に防止するため、法律に基づき、対象となる地域や物を定め、疾病発生地域からの動物や肉などの輸入を禁止してきたが、この輸入禁止措置が取れる対象疾病に豚コレラと高病原性鳥インフルエンザを加えるもの。
高病原性鳥インフルエンザの輸入禁止区域は、
0の区分(清浄地域)=家きんや種卵、家きん製品などすべて輸入可能。
1の区域(暫定清浄地域)=家きんや種卵の輸入は輸出国指定農場由来などであれば輸入可能であるが、家きん肉や卵は輸入禁止、加工品は塩漬け・くん製・加熱処理したものは輸入可能。
2の地域(非清浄地域)=家きんや種卵は輸入禁止。家きん肉、卵、加工製品などは加熱処理もの以外はすべて輸入禁止。
低病原性鳥インフルエンザは、ウイルスが高病原性に変異する可能性があるが、病原性が高くないため第43条の対象に加えず、これまでと同様な輸入禁止措置を継続する。
また、家きん肉などの加熱基準は、これまでは摂氏70度1分間と、同30分間以上の2基準があったが、「当該家きん肉等の中心温度を1分間以上摂氏70度以上に保つこと」に一本化し、液卵製品の加熱基準は、これまでの摂氏60度以上3.5分間以上の条件が据え置かれた。

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