AIの移動制限縮小など要請 日本食鳥協会

(社)日本食鳥協会(芳賀仁会長)は5月17日、高病原性鳥インフルエンザ(AI)の防疫指針の見直しを農林水産省に要請した。
移動制限区域については、原則として発生農場を中心に半径10キロメートル以内の区域となっているが、これを「EUと同水準の半径3キロメートル以内」とするよう要請した。
移動制限区域をEU並みの3キロメートル以内との要請は鶏卵業界も行っているが、同会ではAIは飛沫感染による伝染で、ウイルスの飛ぶ範囲は15メートルくらいと限定的であるため、移動制限区域をEU並みの半径3キロメートルにしても、感染拡大を効率的に防止することが可能だとし、口蹄疫とは異なった移動制限区域を決める必要があるとしている。
また、移動制限区域の農場の清浄性をリアルタイムPCRやPCRで確認すれば、現在は卵の移動は認められるが、種卵や食鳥の移動は認められていないため、「清浄性検査で陰性が確認されれば、所定の衛生条件を課したうえで、(1)移動制限区域を半径1キロメートルの範囲まで縮小する(2)食用に供する家きん卵の集荷に加え、種卵とひなの出荷を認める(3)移動制限区域内の食鳥処理場へ、移動制限区域内と移動制限区域外からの食鳥出荷を認める」ことを求めた。
同会では、ウイルス遺伝子検査で陰性を確認後は、「移動制限区域を半径1キロメートルに絞り込めば、徹底した感染拡大防止を効率的に実施できる」とし、種卵やひなの移動については「種卵はホルマリン消毒し、ひなは孵卵機で孵化して、他の鳥などに接触していないため、AIを感染拡大させない」と主張。食鳥の移動を認めることについても、「食鳥処理場では約60度Cのお湯で脱羽され、中抜きと体の段階では消毒薬を含む冷水で洗浄されることから、ウイルスを拡散することはない。移動制限区域内で飼養している食鳥を出荷することによって飼養羽数が減少し、感染拡大を縮小させる役割も期待できる。また、移動制限区域外はAIに感染していない清浄区域で、この地域の食鳥を持ち込んでもAIの感染拡大にはならない」としている。

コメントを残す