茨城での発生は9農場に 県央部にも広がる

茨城県の水海道市と茨城町で感染が確認された弱毒の鳥インフルエンザ(H5N2型)は、合計9農場にまで広がった。特に茨城町の農場は県外に若めすを出荷していたことから、一時は他県への広がりも心配されたが、検査の結果は陰性であっただけでなく、全国一斉のサーベイランスでも、感染は確認されなかった。ただ、弱毒タイプであるため、潜伏の可能性もあり、専門家は今後も十分、警戒を続ける必要があると指摘している。

6月26日に、茨城県水海道市の採卵養鶏場「アレバメントカントウ」(約25,000羽飼養)で感染が確認された弱毒タイプの高病原性鳥インフルエンザ(H5N2型)は、28日には発生農場に隣接した5農場(約124,000羽飼養)でも抗体陽性が確認された(うち8,500羽の「中村鶏園」からはウイルスも確認)。
さらに7月26日には、移動制限区域内の「天王原養鶏園」(約35,000羽飼養)で、7月中旬に導入した若めす(県が移動制限の例外措置として認めたもの)から抗体が確認された。
若めすは県内と県外の2農場から供給されたため、導入元の検査が行なわれ、県外の農場は陰性が確認されたものの、県内の茨城町の「内田養鶏場」(育成鶏と成鶏で約116,000羽飼養)では29日に抗体が、31日にはH5N2型のウイルスも確認された。
茨城町の農場は最近、3県(千葉、埼玉、岩手)の3農場にも若めすを出荷していたため、他県への感染の広がりも心配され、一時は関係者に緊張が走ったが、8月1日に、3県3農場すべてで陰性が確認された。
茨城県では9農場で計約30万羽が殺処分された。殺処分された鶏の大半が症状を示さず、一見、健康に見えるものを処分せざるを得なかっただけに、当の養鶏家はもとより、関係者の被ったダメージの大きさは、計り知れない。
最初に確認されたアレバメントカントウを中心とした半径5kmの移動制限は8月4日に解除されたが、天王原養鶏園の半径5km(四農場、約11万羽)と内田養鶏場の半径5km(18農場、約87万羽)の移動制限は継続されている。
全国一斉サーベイランスの8月5日までの結果は、いずれも陰性となっている。ただ、8月3日に福島県の1検体で陽性反応が出た段階で、福島県が動物衛生研究所が最終確認する前に発表したことから、養鶏業界は大騒ぎになった。幸い、動物衛生研究所で陰性が確認されたものの、途中段階で発表した福島県のスタンドプレーに、県内はもとより、全国の養鶏家は強い怒りと不信感をつのらせた。
今回のH5N2型は、弱毒タイプで見分けが難しく、潜伏している可能性もあるため、今後も油断することなく、これまで以上に警戒を強める必要がある。
特に、今回の発生で、鶏を含めた物の流れなどを見ると、倒産どころか、地獄を見る思いを味わった業界にしては、昨年の教訓が何ら生かされていなかったようにも思える。農場だけでなく、若めすや成鶏の移動時における衛生管理なども再点検し、再発防止に努める必要がある。
さらに農水省と生産者団体などは、再発のない防疫体制などについて、徹底的に議論・検討することが強く望まれる。

コメントを残す