ブランド卵表示の適正化 公取委が業界に要望

鶏卵のパックや貼付ラベルに栄養成分や安全・衛生、鶏の飼養環境などを表示して差別化を図るブランド卵が増加している中で、公正取引委員会は11月30日、鶏卵関係中央団体で構成する中央鶏卵規格取引協議会に対し、表示の適正化と公正競争規約の設定に向けた取り組みを求めた。

公正取引委員会は、一般消費者の健康志向、安全志向の高まりなどを背景に、一定のブランド名をつけた鶏卵が増えていることから、今年7月に105点のブランド卵を収集して実態を調査した。さらに9月には鶏卵の品質などの強調表示から受ける認識について消費者モニター500人のアンケート調査を実施し、9月から11月にかけては、学識経験者や鶏卵の生産・販売団体などから実際の鶏卵の品質などについてヒアリングを行なった。
調査の結果、ブランド卵の中には、表示の根拠や表示されている事実と、卵の品質などの関係が一般消費者にわかりにくいものがみられるとともに、消費者は、ブランド卵は品質などが優れていると認識していることがうかがえたとのこと。
このためブランド卵については、(1)一般消費者に誤認や、誤認のおそれのある表示を行なわないよう、品質などについては合理的な根拠に基づく適切な表示が必要(2)消費者の適正な商品選択に資する観点から、表示の意味や根拠がきちんと認識される明瞭な表示が望まれる――として、鶏卵業界に表示の適正化と、「不当景品類および不当表示防止法」上からも、公正競争規約の設定に向けた取り組みを求めたもの。
養鶏中央9団体で構成する中央鶏卵規格取引協議会では、専門委員会などを設置して、ブランド卵の定義や表示のあり方などの検討に入っている。

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