飛翔作戦で月間出来高は3倍に 中部商取の鶏卵先物取引
中部商品取引所(木村文彦理事長)は、平成15年8月から中部商取協会の協力を得て、鶏卵取引キャンペーンを、また16年2月からは市場加速化計画『飛翔作戦』を展開し、鶏卵市場の活性化に努めてきたが、月間平均出来高が約三倍になるなど、多大な成果を上げて今年11月で同作戦を終え、次のように総括した。
1.「鶏卵取引キャンペーン」の実施(15年8月~10月の3か月間)
テーマ=『鶏卵市場の活性化と中部商品取引所が目指す「愛される取引所」としての地域社会への貢献と愛知万博「愛・地球博」への支援』、狙いは鶏卵市場の知名度の向上
(1)市場活性化を通しての地域社会への貢献
「活性化ポイントラリー」による優良受託会員の表彰。受賞受託会員上位3杜の厚意により、副賞の賞金(現金30万円とたまご券30万円分)を寄付していただくとともに、取引所から愛知万博入場券(60万円相当分)を、社会福祉法人中日新聞社会事業団を通じ社会福祉に寄付
(2)その他の主な取り組み
「売買コンテスト」による優良外務員の表彰、鶏卵有識者による講演会の開催(東京・名古屋・大阪の3地区)、受託会員営業責任者との懇談会の開催(東京・名古屋の2地区)、養鶏場見学ツアーの実施
2.「鶏卵市場の取引枚数に応じた石油市場の定率会費の割引」の実施(15年12月~16年11月)
目的=流動性の増強
・第1次割引期間(15年12月~16年2月)
・第2次割引期間(16年3月~16年5月)
・第3次割引期間(16年6月~16年8月)
・第4次割引期間(16年9月~16年11月)
※基準枚数を超えた増加枚数分に対する割引
(1)鶏卵1枚に対し石油2枚分の定率会費の割戻し(2)基準枚数3,000枚以上の場合は鶏卵1枚に対し石油3枚分の定率会費の割戻し(3)特定期間内に取引実績の無い場合は鶏卵1枚に対し石油10枚分の定率会費の割戻し
3.「鶏卵市場加速化計画・飛翔作戦」の実施(16年2月25日から)
目的=鶏卵市場のさらなる加速と本上場の早期実現
狙い=当業者対策の強化
(1)当業者の会員加入および当業者会員の取引参加促進
定額会費の引き下げ(年間12万円を6万円に減額)、取引枚数に応じた定額会費相当分の割戻し、特別融資制度(中部商取振興(株)による畜産物市場会員に対する特別融資、貸付限度額=会員1人当たりの限度額500万円、貸付金利=1.5%)
(2)その他の主な取り組み
中部鶏卵研究会の設置=鶏卵受託会員の実務担当者および当業者など業界関係者をメンバーとし、16年1月13日に設置。以後5回の研究会を開催し、鶏卵市場を取り巻く環境についての意見交換および鶏卵市場のあり方などについての検討を実施。
「飛翔作戦」推進ポスター作成に当たっての標語募集=受託会員外務員をはじめ会員、業界関係者などから募集
標語名=「羽ばたけ!鶏卵市場と私の夢」
鶏卵業界機関紙などへの広告掲載(鶏鳴新聞および日本農業新聞)
鶏卵情報サイトの開設(16年4月1日、取引所のホームページからアクセス可能。「今日のタマゴ情報」http://www1.ocn.ne.jp/%7es-kisha/)
4.鶏卵市場本上場の達成
平成14年11月に試験上場を2年延長、16年10月31日の試験上場期間の満了を待たず、16年5月1日付で本上場への移行を果たした。
これは史上初めての繰り上げ本上場である。
5.『飛翔作戦』効果
鶏卵市場は、『飛翔作戦』効果により、市場活性化への取り組みを開始した15年8月前の1年間(14年8月~15年7月)の月平均出来高21,503枚に対し、15年8月から16年11月までの月平均出来高は62,040枚と約3倍に膨らみ、大きく飛躍した。
6.当業者の参加促進策の継続
「定額会費の引き下げ」や「取引枚数に応じた定額会費相当分の割戻し」「特別融資制度」については継続実施。
7.酉(鶏=卵)年、新プロジェクト
来年は「酉(鶏=卵)年」、新たなプロジェクトも計画中(ホームページで近々発表の予定)。
同取引所では「さらなる飛躍を目指して市場の育成に努めていきたいと思うので、今後もご支援をよろしくお願いする」としている。