採卵養鶏の農業所得は14%増、ブロイラー経営は29.5%減 平成29年

農林水産省が12月11日に公表した平成29年の営農類型別経営統計によると、採卵養鶏(月平均飼養羽数1万4791羽、鶏卵生産量252.117トン)の農業粗収益は5549万5000円(前年比3.2%増)、農業所得は1018万6000円(同14.0%増)。ブロイラー養鶏(販売羽数24万1810羽)の農業粗収益は1億1598万1000円(同1.0%増)、農業所得は1074万4000円(同29.5%減)となった。平成29年の採卵養鶏とブロイラー養鶏の経営概要は次の通り。

採卵養鶏

調査対象の採卵養鶏50戸(1万羽未満21戸、1~3万羽15戸、3万羽以上14戸)の月平均飼養羽数は前年比3.3%増の1万4791羽、鶏卵生産量は4.3%増の252.117トン。

経営全体の畜産収入は0.1%増の5268万円。このうち鶏卵の収入(成鶏を含む)は0.5%増の5239万6000円。経営費の合計は1.1%増の4530万9000円。このうち飼料費は1.5%増の2847万7000円で全体の62.9%(前年62.6%)、動物費(ひな代や若めす代含む)は13.9%減の468万円で全体の10.3%(同12.1%)。この2費目で全体の73.2%(同74.7%)を占めている。

▽生産コストの概要

経営費(4530万9000円)を月平均飼養羽数(1万4791羽)で割った1羽当たりの生産コストは2.2%安の3063円(前年3132円)。鶏卵生産量(252.117トン)で割った鶏卵1キロ当たりの生産コストは3.1%安の179円71銭(同185円41銭)。

規模別の鶏卵1キロ当たりの生産コストは、1万羽未満は209円12銭(前年233円25銭)、1万羽以上3万羽未満は193円35銭(同206円27銭)、3万羽以上は162円28銭(同158円85銭)となった。

ブロイラー養鶏

調査対象のブロイラー養鶏50戸(販売羽数10万羽未満11戸、10~20万羽16戸、20万羽以上23戸)の年間平均販売羽数は前年比5.7%増の24万1810羽。

経営全体の畜産収入は0.6%増の1億1466万2000円。このうちブロイラーの収入は0.7%増の1億1465万2000円。経営費の合計は5.7%増の1億523万7000円。このうち飼料費は3.1%増の6591万2000円で全体の62.6%(前年64.2%)、動物費(ひな代含む)は8.2%増の1714万4000円で全体の16.3%(前年15.9%)。この2費目で全体の78.9%(前年80.1%)を占めている。

▽生産コストの概要

経営費(1億523万7000円)を年間平均販売羽数(24万1810羽)で割った1羽当たりの生産コストは3.4%安の435円21銭(前年435円17銭)。これを平成29年の食鳥流通統計のブロイラー生体重2.995キロで割った生体1キロ当たりの生産コストは4.3%安の145円30銭(同146円70銭)。

規模別の生体1キロ当たりの生産コストは、年間平均販売羽数10万羽未満は156円75銭(前年163円80銭)、10万羽以上20万羽未満が149円80銭(同146円97銭)、20万羽以上が142円34銭(同144円96銭)となった。

平成20年以降の平均生産コストは次の通り(円未満は四捨五入)。
▽鶏卵1キロ
平成20年  187円
平成21年  173円
平成22年  172円
平成23年  180円
平成24年  184円
平成25年  197円
平成26年  204円
平成27年  202円
平成28年  185円
平成29年  180円
▽ブロイラー生体1キロ
平成20年  181円
平成21年  165円
平成22年  163円
平成23年  160円
平成24年  153円
平成25年  161円
平成26年  159円
平成27年  159円
平成28年  147円
平成29年  145円