野鳥の糞便や水からもAIウイルス

農水省 防疫対策の再徹底通知

環境省は、11月21日に愛知県名古屋市で採取された野鳥の糞便1検体から低病原性鳥インフルエンザ(AI)ウイルス(H7N9亜型)が検出されたと報告した。今シーズンの野鳥の糞便からのAIウイルス検出は、12月10日には鹿児島県出水市のツルの越冬地の水からも低病原性IAウイルスが検出された。今シーズンの野鳥の糞便などからのAIウイルス検出は、10月の千葉県に続く3例目。

農林水産省消費・安全局は、渡り鳥の本格的な飛来シーズンを迎える9月12日に、局長名で各都道府県に対して「平成30年度における高病原性鳥インフルエンザ等の防疫対策の強化について」を通知し、発生予防対策と、万一の発生に備えたまん延防止対策に万全を期すことを求めていたが、12月12日に動物衛生課長名で防疫対策の再徹底を通知。改めて農場と家きん舎へのAIウイルスの侵入防止対策、飼養家きんの異常の早期発見・通報、発生した場合の迅速かつ円滑な初動対応を求めた。

韓国で野鳥からAIウイルス分離相次ぐ 家きんでの発生報告なし

韓国では、2018年10月から12月20日現在までに、野鳥の糞便などから40例の低病原性鳥インフルエンザ(AI)ウイルスが分離されている(17年10月から12月6日まで29例)が、家きんでの発生は報告されていない。

同国では、10月1日からAI特別防疫対策期間として、全国の家畜防疫機関に24時間体制の対応部署を設置しながら防疫状況を監視するとともに、AI発生危険度が高い一部のアヒル農家(203戸、約300万羽)を対象に11月から2月までの飼育制限を実施。また、家きんの放し飼い自粛や、AI発生が多かった産卵鶏・種鶏・種アヒル農家についての毎日の予察・検査の実施、さらには野鳥からAIが確認された場合の消毒の徹底などで防疫管理を強化。

さらに12月から1月はこれまでの経験から渡り鳥が最も多いハイリスクな時期と考え、自治体や農家などに防疫強化の再徹底を求めている。